お子様の近視進行を抑制する目薬について。

【近視はどこまで進行するの?】

学校の健康診断で視力判定「D」。昨年は「C」。どんどん、お子さんの近視が進んでしまったら親としては大変心配です。

”近視がどこまで進行するのでしょうか?”というご質問をよく耳にしますが、こればかりは何歳になったら止まるとという明確なゴールはありません。大抵の場合、成長期に近視が進行することが多いため大人になったら止まると勘違いされる事もありますが、もちろん大人になってから近視が進行するということもあります。

【近視の進行をどうにか止める方法はあるのか?】

近視の進行を完全に止める方法は現在ではありません。しかし、抑制することは可能です。

子どもの近視が進む原因として、主に眼球が楕円形になる(眼軸長が伸びる)ことで、網膜上に合わせるべきピントがズレてしまうことにより起こります。ゲームやスマホ・パソコンなど近くを見ている時間が多いほどこの症状が起こりやすく、一度楕円形に伸びた眼球は元に戻ることはありません。そのため、眼軸長が伸びるのを抑えるとこが、近視の進行を抑制することにつながると考えられています。
眼軸マイオピン【近視の進行を抑制する目薬:マイオピンとは?】

子どもの近視が進む原因が「眼軸長が伸びてしまうこと」に起因するのであれば、それを抑制することはできないかと、シンガポール国立眼科センターの研究に基づいて目薬が開発されました。

その目薬がマイオピンです。子どもの近視の進行を抑制させることを目的に、アトロピンが0.01%配合されています。通常のアトロピンでは、日常生活に支障が出てしまうため、抑制効果が確認できる最小の単位での配合量のようです。重篤な副作用の報告もあがっていません。

【マイオピンの効果は?】

近視の進行を平均で約60%軽減させることができる目薬と言われています。シンガポール国立眼科センターにおける報告では、マイオピン点眼薬を2年間継続した研究結果が以下のように報告されています。
マイオピン効果あくまでも抑制が目的であり、止めることは難しいようです。しかし、マイオピンを点眼しなければ強度の近視にまで進行したところ、点眼をしていたら中程度までの近視の進行で落ち着いたということであれば、十分マイオピンを点眼した効果が得られたと考えられます。

マイオピンを点眼しても近視がどんどん進んでしまっているから効果がないと考えるのか、点眼をしているからこの程度の近視の進行ですんだのだと考えるのかがこの治療を続けるか否かの決定点になりそうです。

【マイオピン治療はどのように行うの?治療の料金は?】

少なくとも2年、毎日夜寝る前にマイオピンを1滴ずつ点眼します。治療の大前提として継続して使用することが必須です。マイオピンは問診、診察、視力検査に基づき医師が必要量を処方してお渡しします。

日本においては健康保険の適用とはなりませんが、ご希望の方は当院では自由診療にて治療を行っております。

初診時にかかる費用は次のとおりです。
診察検査料+目薬代1本分=6,000円程度

1ヶ月後に再診となり、問題なければ以降は6ケ月ごとに検診となります。2回目以降の費用(マイオピン0.01%使用時)は次のとおりです。
診察検査料+目薬代6本分=25,000円程度

(※2022年現在の価格の目安です。最新の料金はクリニックまでお問合せ下さい)

近視の進行を抑制する、いわば未来に投資をするような感覚ですよね。マイオピン治療をどのようにお考えになりますか?

◆ご興味を持たれた方は、診察時にお気軽に医師・スタッフまでご相談下さいませ◆