肝斑改善にトラネキサム酸☆

レーザー治療では炎症を悪化させてしまう恐れがある「肝斑(かんぱん)」。肝斑の見分け方としては、左右対象に”しみ”ができるという特徴があります。

シミを気にする女性肝斑の治療を目的とした場合、アミノ酸の仲間で「トラネキサム酸(トランサミン)」という飲み薬が使用されます。1979年に肝斑への改善効果が報告されてから、治療薬としてその名を馳せています。もともとトラネキサム酸には、メラニンの生成を抑制する、炎症を抑えるといった効果があります。

シミは紫外線を浴びると肌を守るために「メラニン」という物質を作ろうとします。トラネキサム酸は、このメラニンの生成を抑制することはもちろん、シミを発生させるプロスタグランジンという物質もブロックします。

肝斑が発症する原因の一つにメラニンを生成するメラノサイトの活性化があります。中でも肝斑に影響するといわれるのが、プラスミンというたんぱく質分解酵素といわれています。トラネキサム酸は抗プラスミン作用を持ち、メラノサイトでメラニンが作られる前に、メラノサイトの活性化を抑制して、肝斑の発症を抑えると言われています。肌の表面に出てくる前に対処していくということになります。

安全な薬ではありますが、副作用が全くないわけではありません。食欲不振や吐き気などが起こることもありますが、極めて稀で投与をやめればすぐに落ち着きます。また、長期的な使用をすると、血栓ができるリスクが高まりますので納豆キナーゼなど血液をサラサラにする効果をもつサプリや食品を積極的に摂取するよう心掛けることも大切です。

ビーソフテンローションだと、ベトつきがありません。

以前ご紹介した「ヒルドイドローション」、保険適用で乾燥肌を改善する優れものですが、全身に使用した場合は乳液のような液状になっているのでベトベトする・・。という使用感を持たれる方もいらっしゃいます。特に手で、ハンドクリームのようにして使う方には後発品である「ビーソフテンローション」のほうがサラッとしていてすぐに肌に浸透していくので使いやすいかもしれません。

ビーソフテンローション主成分はヘパリン類似物質で、お肌への刺激は低刺激。赤ちゃんからお年寄りまで問題なく使用可能です。お顔や手に限定されず、全身に使えます(ただし、眼や粘膜等は不可)

いわゆるヒルドイドローションのジェネリック医薬品のタイプが「ビーソフテンローション」なのです。

効果・効能は一緒でも添加物などに微妙に差が生じているため、形状が異なるものとなっています。

ベトつき感が気になるのであれば、薬剤師さんに「後発品」もしくは「ジェネリック」を希望するとお伝えいただければビーソフテンローションが選択されます。使用感を改善したい方は是非、活用してみてください。

ハードコンタクトレンズの取り換え。

ハードコンタクトレンズの寿命は一般的には1年半~2年くらいと言われていますが、最近の酸素透過性の高いレンズはもっと短い期間で汚れ等が付着して寿命になってしまうケースが多いのです。

ハードコンタクトレンズ花粉症を訴える患者さんが増えるこの季節ですと、いつもは調子がよいのに急に違和感やゴロゴロ感が出始めた・・!という方は、レンズに付着した汚れのせいかもしれません。

ある程度は花粉などを落とせるクリーナーなどを併用すると症状が改善することもありますが、絶えず飛び続ける花粉などのアレルゲンに対してはあまり有効とはいえません。アレルギー症状が落ち着くまではメガネを上手く併用することも大切です。

また、無理して使用していたハードレンズをそろそろ取り換える目安と考えても良いのかもしれません。

老眼を予防する方法。

老眼先日の駆け込みドクターで「老眼を予防する方法」なるものが紹介されていました。年齢とともに目にも老化現象が起こるのは仕方のないことなのですが、進行を遅くする・予防するという方法があるなら是非とも試してみたいところです。

老眼の原因として、老化によって水晶体が固くなるため膨らんだり元に戻ったりする収縮作業が上手くいかなくなること。また、これに付随する毛様体という筋肉が弱ることが挙げられています。ここでの紹介は、この筋肉のコリを和らげることによって老眼の予防につなげるという内容でした。

やり方は「100円メガネで手軽にできる!」というものです。

100円ショップの老眼鏡を使うのですが、具体的にはピントの合わない度数を買って、その老眼鏡を掛けて近くではなく遠くの方をぼんやりと見る。という手法のようです。注意点は、「ピントが合わないというのは、自分の適性度数よりも強い度数を選択する」こと、そして「無理して見ようとしない」ということです。

眼科の視力検査方法で、あえてピント調節の介入を防ぐ雲霧法という測り方がありますがこれを利用したといったところでしょうか。若い方でも、疲れ目の軽減になりますので、早めに行っておくと将来の結果に差がでるやもしれません。

プラセンタ、やはり継続したくなる!

プラセンタと名のつく注射やサプリメント、化粧品など様々な製品が存在しますが、いずれも地道に継続していくことが効果をもたらす重要なポイントになることは間違いありません。

当院でのプラセンタ注射は、「メルスモン」「ラエンネック」の2つの製材を用意しています。厚生労働省に認められ薬事法の認可を受けていて、安全性の高い国内ヒト胎盤エキスが使用されています。

メルスモンラエンネック

プラセンタの効果が目にわかるように感じられる方もいらっしゃれば、何か良くなったのかな?!とイマイチ疑問に感じられている方もいらっしゃいます。

後者の方はしばらくプラセンタ注射の投与を続けた後、投与をやめてしまう傾向になるのですが、この後にプラセンタの効果がわかる場合が多いのです。プラセンタの投与をやめるとジワジワとその恩恵を感じてくるのです。例えば、「最近肌荒れするようになった」「体がなんとなくだるい」「疲れやすくなった」というような症状が出るようです。

いつから体調不良を感じやすくなった?と記憶をたどってみるとプラセンタの投与をやめてからじゃないの?!と・・。そんな訳で、またプラセンタ注射を開始しようと決断される方が多いのです。

プラセンタ注射は予約不要です。気が向いたときにお気軽にどうぞ!

メガネの掛け合わせ、無理する必要はありません。

眼科医当院でメガネを処方する際、先生の指示にしたがってメガネの度数が決定されます。ですが、先生の提示した度数を必ず使用しなくてはならないという決まりはありません。

確かに病状によっては変更が難しい場合がありますが、通常はメガネを使用される患者さんご本人が「メガネがあると見やすい」「楽になった」と思えるようなメガネを作る必要があります。両眼で1.0が見えるくらいで作られる方が多いとされていますが、あくまでも一般論です。

実際に使えるメガネになるかどうか、掛け合わせ(試し掛け)をしているときに、「非常に疲れる」とか「見えにくい」「歩くとフラフラしそう」など、あれっ?!って思ったことがあれば、無理に続ける必要はないのです。

これなら使用できそう!と、安心できるような度数で調整をすることは何度でもできますから、気になることは近くのスタッフにどんどん伝えてください。視力は目安なのです。眼科側の、一般的にこのくらいの視力が出ているなら問題ないのでは?という認識と、使用者ご本人の見え方の満足感は必ずしもイコールではありません。

無理して作成しても使えないメガネになってしまったら、意味がありませんよね。気になる点を遠慮して言わないとするより、ちゃんと教えていただける方が先生も実は嬉しいのです^^

片眼だけ視力が下がっていく症状。

近視の進行は、これが原因という特定されることがまだありません。一般的には遺伝的とか、近方作業のやりすぎなど多数の要因があるのではないかとは言われています。

視力検査ところで先日、「片眼だけ視力が落ちる」という相談を患者様からいただきました。確かに視力検査の結果はだんだんと左右差が広がりだしています。

一般的に考えれば、遺伝的要素でおそらくもう片方の目も、追いかけるように近視が進行する可能性もあります。しかし、この患者さんの場合に限っては本当に片眼だけ低下していくという事態が起きています。

目を疲れさせないようにする、規則正しい食生活を行うということはもちろんなのですが、このような場合「姿勢をよくする」ことにも気を配ってあげると良さそうです。

・寝そべりながら本などを見る
・ノートなどを書くときに首を一方に傾けながら見る
・机に対して垂直に座らずにパソコン画面などを見る など

これらの事をよく癖でやってしまっていないか、思い当たることはありませんか。長期に渡ってこのような事を続けていると片目だけ視力低下していく原因になるとも言われています。

何故かというと、ある対象物を見ている右目からの距離と左目からの距離が極端に違う状態だと、片方の目だけ視力が落ちる可能性が高いと考えられます。これは、左右の目のピント調節力が片方だけ非常に大きく作用し、もう片方はそんなに使われないという状態になります。片目だけ極端に負荷が掛かれば、片目だけ視力が低下してもおかしくありません。

両方の目を同じように使用しないと、片目だけ視力が落ちるというリスクを高めることにもなりかねません。正しい姿勢で物を見るというのは大切なことなのですね。

目の疲れやすい人が選ぶ2ウィークデュオ

現代人にとっては目の疲れというのはどの方にも起こりうる症状の一つです。遠近両用となると、老眼が始まった方に使用されるものとされますが若い方が使う際にはどうもネーミングが気になる・・・という方もいらっしゃいます。

2ウィークデュオですが、パソコン作業やスマホを含め手が届く範囲の距離を見ることが増え、目の調節力を酷使しながら生活をされているという患者さんも多いのです。近くの距離を見続けることは、自律神経がうまく働かなくなることもあり身体に様々な影響を及ぼします。目の疲れのほかにも、頭痛や肩こり、ひどいときは吐き気までという事もあります。

PCメガネはいかがとお勧めはするも、仕事中だけはコンタクトレンズだという方もやはりいらっしゃるので、そういった場合はメニコン社より「2ウィークデュオ」という製品があることをご紹介しています。
2WEEKデュオ
遠くの見え方はそのまま、手元にピントを合わせるときの手助けをしてくれるような見え方を実現しています。

実際に使用してみると、見え方そのものは変わりません。しかし、夕方以降の”目の疲れ具合”という点ではいつもより楽になるはずです。

パソコンに向き合う社会人の方はもちろんですが、受験勉強をされている学生の方にも使っていただけるものと考えます。

マルチフォーカルとバイフォーカル。どちらの遠近両用が良い?

遠近両用コンタクトレンズには、その名称に「1day○○○マルチフォーカル」とか、「2week○○○バイフォーカル」ってネーミングの製品が多いと思います。どちらも遠近両用コンタクトレンズには変わりないのですが、レンズに入っている度数の分布具合に大きな差があります。そのため、物の見え方にずいぶんと違いが出ます。

マルチフォーカル上の図は、プレミオ遠近両用のマルチフォーカルデザインの度数分布図になります。マルチフォーカルとネーミングが付いているものは、緩やかに遠く~近くを見る度数に変移していくつくりで、焦点が多数あるといった構造になっています。視線を遠くから近く(逆も)へ動かしたときにスムーズに視界が切り替わります。また、遠とも近ともとれないくらいのいわゆる中間距離を見せるのが得意なのです。

しかし、どちらか一点となると話は別です。長時間の細かい手作業などをする際に使うと考えると非常に満足感に欠けると言われます。そのため遠くも近くも、まぁまぁ・・な見え方と思われる患者さんは多いです。日常生活に必要ないわゆる生活視力(0.7~0.8くらい、手元は新聞が読めるくらい)が確保できるという点に重点が当てられています。

対してバイフォーカルのレンズは遠くと近くの2点、焦点があるようなつくりになっています。そのため、遠くなら遠く、近くなら近くという1点を見た時ではマルチフォーカルタイプに比べて見え方の満足感は高いとされています。下の図がプレミオ遠近両用を例にしたバイフォーカルタイプのつくりです。
バイフォーカルしかし、遠く~近く(逆も)といった視線を変えたときや中間程度の距離が非常に見えにくいと感じられます。ですので、一点を見ることの多い事務作業などをされる場合にはこちらを選択するほうが楽になることが多いです。車の運転は慣れれば問題ないとは言われますが、最近ではカーナビの画面を一瞬見て、すぐに前方を見ることが多いので注意が必要です。

コンタクトケアは選び方を間違えると、目に傷が!!

昨日紹介いたしました「クリアデュー」。眼科側として他のケアシステムよりお勧めする理由が感染症の予防の他にも、もう1つ重要なことがあります。

それは薬局等でお手軽な価格で売られている洗浄消毒剤の中には、消毒剤によって目に傷をつけてしまう製品もあるのです。消毒洗浄の力が目に対して強すぎると、レンズ内面に残っている液の成分が角膜上皮に影響を与え、結果として角膜(黒目)の傷になります。

目に及ぼす影響右の写真の矢印のあたりに、無数の白い点々のようなものが見えると思いますが、実はこれらが傷です。(クリックで拡大できます)

ケアは”これ1本で、ソフトコンタクトのケアは完了!”というタイプのものと、レンズはシリコンハイドロゲル素材のレンズを使用されている方にこの症状が多く見受けられます。なかでもケアの消毒の力が強いものには注意です。しかし、消毒力が低いものだと汚れ落ちや感染症のほうが心配されますので、何ともいい難いところです。

では、クリアデューはというとしっかりと中和をしてから目にレンズを入れますので角膜に与える影響はほとんど無いとされています。レンズはしっかりと洗浄消毒ができて、目にも優しいとなると選ばない理由が見当たらないですよね。(※ただし、クリアデューはヨードにアレルギー反応を起こす方は使用をお控えください。)