コンタクトレンズは常温保存で大丈夫です。

コンタクトレンズの保管ですが、自宅のどこで保管されているでしょうか?装着する場所の近くが便利なので、洗面所や化粧台の前などが一般的ではないかな?という予測ですが、冷蔵庫に入れているというお話をよく耳にすることがあります。

しかし、どの製品の説明書を見ても、言い回しは違えど「高温多湿を避け直射日光の当たらない、常温で保管してください」というような文面が記載されています。

ここで注意したいのが「どこで」という明確な場所が指定されていないので、勘違いされる方が出てきてしまいます。【直射日光の当たらない暗くて涼しい場所】というイメージがわき、冷蔵庫へ・・ということでしょうか。

冷蔵庫に入れておけば、野菜やナマモノも安全!と思いきや、コンタクトレンズはこれら食品とは別物です。冷蔵庫にいれると、コンタクトレンズの内部素材が凍結する恐れがあります。レンズ自体の劣化につながり、快適な視力矯正および目に異常をきたす原因にもなります。
冷蔵庫以外にも、洋服ダンスの中、その他不衛生な場所、高温多湿になるところは避けるようにしましょう。

乱視用ハードコンタクトレンズ。

一般的に乱視がある方は、通常はハードコンタクトレンズを装着することによって乱視を矯正します。しかし乱視にもさまざまあり、一言では括れないものです。乱視の分類で言えば「角膜乱視(黒目のカーブが縦横差がある)」、あるいは「不正乱視(黒目の表面が凸凹している)」を持っている方がこの処方選択になります。

乱視用ハードコンタクト単純に、乱視がある(=イコール)ハードコンタクトレンズを装着して全員の方が視力矯正されるわけではありません。例えば角膜乱視が極めて強い方は、通常のハードコンタクトレンズでは目に対するフィット具合が悪いため、異物感が強く装着していることも困難になることがあります。そういった場合は、乱視用ハードコンタクトを使用することによって症状が改善します。このタイプのレンズは黒目によりフィットするようレンズのカーブ形状が縦横で異なるように作られているため、通常のハードコンタクトでは耐え難かった装着感がするような作りになっています。黒目にフィットするということは、視力矯正の安定性も期待できるということにつながります。

また、ハードコンタクトレンズを装着した時だけ乱視が出現してしまう「持ち込み乱視」というものもあります。この場合は、持ち込み乱視を矯正する乱視用ハードコンタクトレンズが処方適用になります。(ケースによっては乱視用ソフトコンタクトのほうが良好になることもあります)

目の状態を検査してみて適合するようであれば先生からお話しがあると思いますが、今のハードコンタクトレンズにある強い異物感や見え方の不調が続く・・という方は、遠慮なくご相談ください☆

新品のハードコンタクトは、十分にすすいでから装着しましょう。

新品のハードコンタクトレンズにしたらよくあることなのですが、新品のコンタクトレンズを初めて装着すると

「 くもる ・ ・ ・」の一言。コンタクトレンズ

あまりにもボヤけるので、目からレンズを外してみると脂がレンズにベットリと付着。新品なのに何故?!不良品なのでは?と思う方もいらっしゃいます。

これはハードコンタクトレンズが涙になじみにくいために起こります。解消するには、装着する前にレンズをよくすすぎ洗いをしていただくことです。しかし、既に付着してしまった目の脂はクリーナーなどでこすってもなかなか取れないものです。付着させないように、よーくすすぎ洗いをしてあげてください。

ちなみに、ソフトコンタクトレンズでもこのような症状が起こります。使い捨てレンズのメニコン1dayマジックは、レンズがプレスされた状態になっており、保存液に浸っていません。レンズが涙になじむまで数分の間、視界がぼやけるというものです。気になる場合は、すすぎ液などですすいでから装着すると解消します。

また、シリコーンハイドロゲル素材のコンタクトも素材そのものに親油性があるとされているので、この症状が出るという報告もありました。アキュビューアドバンスやエアオプティクスシリーズを使用された患者さんからよくお聞きします。

メガネをかけると”視力低下する”という心配は無用です。

初めてメガネを作成するように先生から指示がでると、頑なに作るのをためらう方がいらっしゃいます。理由を伺ってみると、

【メガネをかけると視力がどんどん下がる・・】というウワサを耳にされていて、メガネをかけずに頑張りたいということでした。この問いは、眼科で働いているとよく尋ねられることなのですが、メガネの女性A
【メガネをかける=視力がどんどん下がる】ということはありません☆

このことは、医学的に全く関係ないといわれています。

メガネを作る必要が出たということは、視力の低下が進行し始めたということです。メガネが目に合っているかどうかを定期的に調べていくようになりますので、使用していたメガネの度がまた進んだ!という場面によく出くわします。そのため、メガネをかけ始めたら視力がどんどん低下しているのではないかという誤解が生じているのではないでしょうか。

仮にメガネをかけずに頑張ったとしても、視力低下が進行していくのを止めることはできません。むしろ見えないというストレスの方が大きくなってしまうはずです。現状の目にあった度数で視力矯正を行うほうが賢明です。

☆メルスプラン☆ワンデー乱視用を使用中の方はご注意を。

さくら眼科でも処方しているメルスプランのコンタクトレンズ。

秋ごろから「メニコンワンデートーリック(1dayタイプ乱視用)」が安定供給されず、患者さんのお手元に届くまで時間がかかるかもしれない!というお知らせがメニコン社から届いていました。しかし現在では、新規にメルスプランのワンデー乱視用への変更は、自粛に至るまでとなっているようです。

メニコン社の告知文はこちらです。

メニコンワンデートーリック すぐに解消させるとおもいきや、欠品解消は長引きそうな様子ですね・・。すでにメルスプランでこの製品を使用している方の分も規格によっては無いそうです。

コンタクトレンズは視力の悪い方にとっては必需品でもあります。「無い物は無い!」ということであれば、何とか目に合う他のコンタクトレンズを探さねばなりません。しかし、メニコンワンデートーリックは、近視矯正度数、乱視矯正度数ともに広い製作範囲をもっていた製品のひとつです。そのため、他社ワンデータイプの乱視用では視力がいつものように出ない!などというケースもあります。さらに、乱視用はうまく目にフィットして回転したりしないかということも重要ですので、難しいところです。(実際、調子が良ければ安易に他のレンズにされるという患者さんも正直少ないように思われます。)

製品が目に合うかどうかは、使用感などを含めて個人差がありますので実際に使ってみないとわからない、というのは事実です。他種への変更もスムーズにいくとは限りません。何度も選びなおしになる可能性も十分あります。そのため、メニコンワンデートーリックを使用されている方は、手持ちのコンタクトレンズがなくなる前に余裕をもって検診にいらっしゃることをお勧めします。特に年末は製造メーカーのお休みがあったりもするのでご注意ください。

乱視用コンタクトにしたら、レンズが大きい!!

よく皆様お気づきになります。近視用のコンタクトレンズを使用されていた方が「乱視」を矯正しないといけなくなったとき、テスト用のレンズをご用意するのですが、手にとられて一言。

「でかい」

はい。そのとおりなのです。

乱視用のコンタクトレンズは、製造上どうしても大きくなりがちです。これはレンズをずれにくく安定させたり、視力が出やすいようにということを第一目的とするため、どうしても大きくなってしまうようです。厚みが気になるとか、サイズが大きいので目の中の存在感が半端ない!など表現は様々ですが、近視用→乱視用へシフトされる方はやはり”着け心地”がどうもしっくりこないようです。

また、レンズサイズが大きいと目に装着するのが大変だという声もお聞きします。

眼科側としては、まずは視力の確保ということを一番に考えたいところなので、乱視用を案内することが多いのですが、着けていられないコンタクトレンズでは意味がありません。

もし、「でかい」ということが気になるのであればメニコン社の『プレミオトーリック(2週間交換タイプ)』というレンズを選んでみると良いかもしれません。

プレミオトーリック
医療機器承認番号:22300BZX00094
メニコン 2ウィークプレミオトーリック 1箱6枚入

プレミオトーリックの直径サイズは「14.0ミリ」

一般的な近視用ソフトコンタクトレンズと変わらない大きさです。多少、レンズデザインは乱視用傾向があるものの、”でかさ”による違和感は軽減させられるのではないでしょうか?酸素を通す力もトップクラスで、優れものですよ。

コンタクトレンズが目から落ちない理由。

コンタクトレンズを初めて使用される患者さんからよく質問を受けるのですが、「何故、目からコンタクトレンズは落ちないのか?」ということです。

目にピタっとくっついて、簡単には落ちません。それは、涙の表面張力によってコンタクトレンズが引き寄せられているからです。液体には表面張力といって、分子同士がなるべく表面積を小さくするように力が働いています。

例えば、コップに水を入れるとコップより少し多めに水を入れてもこぼれずに、盛り上がる感じになりますよね。まさにこの状態のことです。
表面張力
液体の種類などによって、表面張力は異なりますがコンタクトレンズくらいの物なら、涙の表面張力でくっついていられるようです。

 

ただし、目線の急激な移動にはご注意を。特にハードコンタクトレンズは外れてしまう可能性が高いです。

従来型ソフトコンタクトのメリットは何か。

ソフトコンタクトレンズソフトコンタクトレンズと呼ばれるコンタクトレンズの内、ざっくり眼科では3タイプに分類されます。

(1)使い捨てタイプ

(2)頻回交換タイプ

(3)従来型

普段ワンデータイプと呼んでいるのは(1)の使い捨てタイプ。2ウィークタイプとか1ヶ月タイプとかは(2)の頻回交換タイプ。そして、(1)(2)の使い方ではない寿命がくるまで1年程度使用するというものが(3)の従来型に分類されます。

近年では(1)(2)が主流になり、(3)はメーカーが製造中止にしているのが現状です。確かに使い捨てのソフトコンタクトがあれば従来型はほぼ不要、従来型は酸素透過率も極めて低い。感染症や炎症などを起こすリスクも高い。破損や紛失時のスペア代がかかるなど、比べてみると不便なことばかりです。時代の流れには逆らえないといったところでしょう。

あえて利点を挙げるとすれば、オーダーメイドにすることができるというところでしょうか。使い捨て等では製造されていない範囲の強度の度数や乱視があり、オーダーメイドでなければ視力が確保できないときに出番があるというくらいでしょう。

高度管理医療機器がポストに投函。

ポストコンタクトレンズは高度管理医療機器に位置づけされています。高度管理医療機器は、使用方法を間違えると人体に大きな障害を引き起こす可能性があります。以前の医療用具の位置づけより、危機レベルが引き上げられたのは数年前のことです。それにもかかわらず、ネット販売等で眼科医の処方なしでも購入が容易にできるというのは随分と矛盾した話にも思えます。

ところでネット販売で購入したときですが、その受け取り方は通常では宅配便で手渡しされている事がほとんどです。しかし、メルスプランをはじめ世にコンタクトレンズを多数送り出してきた製造メーカーのメニコン社は宅配便で届けるのではなくポストにコンタクトレンズを入れてお届けしているのです。本来であれば対面手渡しが必要であるはずの高度管理機器だと思うのですが、ポストへ。

不在でも受け取りができる事を考えれば便利なのかもしれませんが、さすがにポスト投函はどうなのでしょう。ただ、これが違法であるとかそういった法律はいっさいありません。

夏の炎天下で朝から晩までポストに入れっぱなしになっていたら、製品に影響はでないのかしらと、こんな仕事をしていると考えてしまいます。もちろん、メニコン社が問題ないと確認したうえで行ったのだとは思いますが、最善の方法だったのでしょうか。

コンタクトレンズがツルツルすべって取れない時の対処法。

コンタクトレンズを外すソフトコンタクトレンズを外そうとしたのに、

”すべってうまく外せない”
という場合があります。そのような場合に外れない原因としては以下のようなことが考えられます。


★レンズをつまむ指がぬれている

★爪を立てている

★挟む位置が狭い(時計の5-7時)

★レンズを下方へ引き下げずにダイレクトにつまんでいる

★レンズをつまむときに引っ張っている

 

対処方法は次のとおりです。
↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓

★レンズをつまむ指を乾かしている

★指の腹でつまんでいる

★挟む位置が適切(時計の4-8時)

★レンズを引き下げて、白眼のあたりでつまんでいる

★つまむとき白眼の部分に指を押し当てるようにしている

といった具合に、取り外す時に注意をしてみてください。外しにくかったレンズがスッと外せると思いますよ!

また、眼科内で練習されていく方の多くで、なかなか外せない!という方は、爪を立てるようにしてレンズに触れようとしている傾向が見受けらます。爪を立ててしまうと、目の表面に傷をつける危険もありますので、気を付けてください。