眼底検査を受ける方は、帰宅時にサングラスがあると便利です。

目の病気を見つけるために、眼底検査を受けようと思っている方は是非サングラスをご持参ください。帰宅する際、まぶしさを軽減するためです。

眼底を検査するときに、瞳孔が収縮してしまうと見える範囲が狭くなりほんの中心部分のあたりしか見えません。そのため目薬で瞳孔を強制的に広げて、目視できる範囲を広く確保します。そして目の奥に異常がないかを発見するのです。

瞳孔を広げなくても、眼底の中心あたりは確かに見えるのですが、眼底内で出血などが起きていないかを見る場合ですと中心部分だけをみてもあまり意味がありません。広範囲が見える状態で確認しなければなりません。糖尿病などを患っている方は、必ず瞳孔を開いて検査しているのはこのためです。

そして検査が終了しても目薬で開いた瞳孔は4時間程度は開きっぱなしです。自然にもとに戻るのを待つことになります。瞳孔を閉じることができないので特に昼間は太陽の光が眩しく感じ、夜でも車のライトなどが眩しく感じてしまいます。

日本でも年々増加する加齢黄斑変性症

加齢黄斑変性症(かれいおうはんへんせいしょう)という病気があります。年齢を重ねてくると、老廃物が網膜色素上皮の下に溜まっていきます。これが原因となり、物を見るために重要な「黄斑部」に異常が生じてきます。これが加齢黄斑変性症です。黄斑部分に異常が生じると視界の真ん中あたり、一番見たい部分が歪んだり見えないという大変困った事態が起こります。

欧米では成人の失明原因の第1位であり大変認知度の高い病気ですが、日本ではまだまだ馴染みの少ない病気と思われがちです。10数年前では日本では失明の原因の4位とされていました。日本人の体質上、患者数は欧米に比べれば少ないとされてきましたが、食生活の変化や高齢化が進むにつれて著しく増加してきている傾向にあります。また、認知度がまだ日本では低いため、注意喚起が行き届いていないのも確かです。

正常眼底と黄斑変性上の写真は、正常な眼底と加齢黄斑変性症により出血をしていまっている眼底の写真です。加齢黄斑変性症には2タイプあり、早急な治療が必要となるのは「滲出型」です。放置してしまうと、眼底の出血を繰り返し失明に至る危険があります。新生血管の拡大を抑えて視力を維持させることが大切です。進行スピードが速いため、発見されたらすぐに処置をしていくことが求められます

対して、「萎縮型」の場合は進行スピードはゆっくりですが、効果的な治療方法は確立されていません。滲出型に転向しないかを定期的に検査して視力を確保していく必要があります。

自律神経と視力の関係

自律神経は視力にも大きな影響をもたらすものです。この自律神経というのは、全身の各器官をコントロールしています。そしてそのバランスが崩れると体全体に異常をきたす原因になります。疲れる、だるい、頭が痛い、不眠、動機、手足のしびれ、お腹の調子が悪い、難聴など様々な症状が出始めます。

視力検査眼に関して申し上げると、眼は物を見るものそして眼球というのが眼だと一般的に思われますが、物は眼球だけで見ているわけではありません。眼は脳の一部とされ、眼球から取り入れた情報が脳に伝わって初めて物が見えたということになります。眼と脳は切ってもきれない関係にあります。

この眼球から脳に情報を伝えるために、自律神経が働きます。自律神経がうまく働かないと、物が見えたとうまく判断されないのです。そのため、ストレスなどで自律神経の働きが正常な状態でないとと視力に大きく影響がでてしまうのです。

自律神経を正常に保つにはストレスを抱えこみすぎないこと、また神経の働きに作用するビタミンB群をはじめバランスの取れた食事をとる、適度な運動をすることがまず基本となるのです。

IT眼症はついに子どもにまで?!

IT眼症という病気があります。ITとはインターネットやスマホなどが普及するようになってよく耳にする言葉ですよね。Information Technologyの頭文字をとって呼ばれていて、情報技術という意味です。

子どもとゲーム最近ではこのIT機器(テレビ・ゲーム・パソコン・スマホなどが身近なものです)、子どもでも利用する機会が非常に増えてきています。

適度に使用する分には大きな問題にはなりませんが、ゲームなどのように子どもが時間を忘れて夢中になってしまう際には要注意です。これらのIT機器からは眼にも有害な光や電磁波などが発せられています。また、近すぎる距離でも物を見る、瞬きの回数が激減する状況が作られます。これらにより眼だけにとどまらず様々な全身の不調をきたす症状が「IT眼症」なのです。

IT眼症は大人の病気と思われていますが、絶対ではありません。IT機器を使用する時間が増えればそれだけ子どもでも罹患するリスクが高くなるという事です。そうならないためにも、一番手っ取り早い対処はIT機器断ちをすることです。ゼロにすることは現実として難しい場合でも、最小限の使用に抑えるようにすることが大切です。

緑内障

私たちがモノを見るには、視神経という組織がとても大切な役割をしています。
緑内障になるとその視神経に異常が起こり、視野が狭くなったり、部分的に見えない部分ができたりするなどの視野障害を引き起こします。
視野障害が進行していても、人は通常二つの目で見ているため、お互いの視野をカバーしてしまい、かなり進行するまで自覚症状が出ないことが多いようです。
現在、日本人における視覚障害の原因疾患の第1位は緑内障です。治療をせずに放っておいてしまうと、失明につながるおそれがあるこわい病気なのです。
一度障害を受けた視神経は元には戻らず、失われてしまった視野も元に戻すことができません。
しかし、緑内障は早期発見で治療を開始すれば、多くの場合で進行をかなり遅らせることができます。
最近では40歳以上の人の20人に1人が緑内障であると言われています。しかし実際に治療をしている人は2割程度と少なく、約8割の人がまだ緑内障と知らずに生活をしているようです。
自覚症状がほとんどない病気のため、早期発見・早期治療をするためには目の検査を受けるしか方法はありません。
大切な目を守るためにも、特に40歳を過ぎたら、眼科での定期的な検診を受けることをおすすめします。

アレルギーの体質は変化することもあるのですね

アレルギーの原因となる物質は様々あります。今の季節ですと、杉花粉にアレルギー反応を示す方が多くいらっしゃいます。また、通年性のものだとハウスダストなどが挙げれられます。子どもの頃からこういったアレルギーに悩まされていると、今でもそれが継続していると考えがちです。

カモガヤところでA子、 20年くらい前にアレルギー反応をみる検査をしたことがあります。当時はハウスダスト系のものが7段階中(0~6)レベル4、他にもカモガヤという植物の花粉、食品では蕎麦やカニ、鮭、猫の毛などが高い数値でひっかかりました。

ですが、先日久々に検査をしてみたところハウスダストは勿論スリープラスの陽性でしたが、それ以外のアレルゲンは陰性、かわりに杉花粉が爆発的数値を記録していました。今年の花粉症は全くと言ってよいほど無症状だったのに?!と驚きを隠せません(笑;)何故だ・・・。そして5月ごろから飛び散るイネ科の植物、カモガヤ対策に熱をあげていた私って・・・。

さらに猫が大好きで子どもの時にペットにしたかったけど叶わず。アレルギーの為に親からストップがかかっていたのに今なら飼えるのね・・と脱力。蕎麦、カニも大好物でうっかり食べ過ぎてしまうと蕁麻疹が出ていましたが、今ならそんなセーブもいらない?!と一人爆笑の結果でした。

アレルギーの体質は簡単変化するものではありませんが、しばらくぶりに検査をしてみると、かつて反応していたアレルゲンはアレルゲンでなくなっている!ということもあるようです。今ではアレルギー科をはじめ、内科、お子さんなら小児科等で検査が可能です。自分のアレルゲンを知ることは健康管理にも大変役立ちますので、調べてみるのも良いかもしれませんね。

ルテインは10年後、20年後を考えて摂取してみる。

目の健康に役立つサプリメントとして、当院では「ルテインPro(プロ)」を取り扱っています。すでに黄斑変性症などを気にされているミドルエイジの方は、ルテインを積極的に摂取しようと心掛けている様子が見受けられます。

ルテインプロルテインとはカロテノイドの一種で、とくに水晶体や網膜に多く含まれる栄養素です。年齢とともに栄養素は減少していくため、細胞が弱ってしまう原因にもなります。

ところで、予防という点で考えるともっと前の時点からルテインを摂取していくほうが大変効果的とされます。ルテインProはサプリメント=健康食品になりますので、毎日の食事の補助的な役割を果たします。今日摂取したらか、明日あさってに何か変化が出るのか?と言われれば劇的に何かが変わることはありません。しかし10年、20年後にルテインを積極的に摂取していた人とそうでない人。目の健康面で大きな差が出るはずです。

ルテインProは日本人の食生活や体型などを考慮し、必要とされる栄養素を効率的に摂取できる仕様になっています。
ルテイン 10mg
ゼアキサンチン 2mg
DHA 30mg
他にも、ビタミンCや亜鉛も配合されています。

受付にて、気軽に購入が可能となっていますのでお気軽にお申し出ください。

※ルテインプロは、2017年5月にて取り扱いを終了しております。以降はルテインの含有量がルテインプロの2倍入った参天製薬「サンテルタックス」をご案内しております。

若い女性にも増えた?!物が歪んで見える症状。

先日働き盛りの年代の男性に多く発症する中心性網膜炎についてお話をしたかと思いますが、近年は女性の社会進出が増えた事にも影響されるのかこの病気を発症してしまう女性の方が多く見受けられるようになりました。 起きる原因としては過度のストレスや睡眠不足が主として挙げられています。

中心性網膜炎とは物を見るために重要な部分、網膜の黄斑部分に水が溜まり物が歪んで見えたり、小さく見えたり、中心部分のあたりが暗い感じに見えたりと視力に影響を及ぼします。他にも色が通常の色と違って見える色覚異常を訴えるケースもあります。

中心性網膜炎中心性網膜炎OCT←断面図でみると、三角に突起している部分が中心に見えます。

もし、この病気にかかってしまったらほとんどの場合は自然治癒の治療を第一として、リラックスした生活を心掛けることです。症状によってはレーザーや薬による治療が行なわれます。

また、この中心性網膜炎にかかったことがある方は将来「加齢黄斑変性症」にかかるリスクがそうでない方よりも罹患リスクが高くなると言われています。初期の段階では中心性網膜炎も、加齢黄斑変性症も大変症状が似ています。治療方法はどちらの診断になるかで変わってきますので、異常を感じた場合はすぐに眼科を受診するようします。

視力と度数は別物です。

一般の方が視力というと、「裸眼視力」のことを言われることが多いと思います。視力が良いとか悪いとかを話す際、「視力が0.1しかないの」「私は、1.5あるよ」と話題になるのは「裸眼」の状態と推察できます。

視力検査ところで、春休みに入るとさくら眼科では初めてコンタクトレンズを使ってみよう!とお子さんをお連れになる親御さんが沢山来院されます。

そんな中、とある少年とお父さんに「お子さんの裸眼視力は0.1です」とお話をしていると、そのお父さん。ご自身も視力0.1なので「俺と同じじゃないか!じゃあ、コンタクトも俺の使い捨てレンズ使えば良いよ」と一言。

あらら・・、何か勘違いをされているような・・。

確かに裸眼視力が0.1なのは一緒として、同じ度数のコンタクトレンズが使えるかどうかというのはまた別の話になるのです。

そもそも裸眼視力は、何も矯正手段を用いずに視力を測った結果値にすぎないのです。そのため、近視が原因で0.1の裸眼視力の人もいれば、遠視が原因で0.1の人もいます。また、乱視が原因、白内障などの病気が原因・・・・・と、数え切れないさまざまな理由で裸眼視力が0.1になる方がいるのです。

例えば、近視が原因で0.1の裸眼視力のA君に、1.0が見えるようになるコンタクトを合わせたところ使用すべき度数がー2.00になったとしましょう。では遠視が原因で裸眼視力0.1のB君がこの度数ー2.00のコンタクトを装着したら、ぼやけて何も見えないのでは?!って話になります。

改めて、裸眼視力が同じB君のコンタクトの度数を合わせていったら+1.50に落ち着いたとしましょう。全く違うコンタクトの度数で視力を矯正することになっています。度数も違えば符号も違いますよね・・。

視力と度数って混乱されがちなのですが、全く違う意味をもっているのです。

高血圧だと、眼にも悪影響が出ます。

年齢を重ねてくると、血圧の話題がよく出るようになります。血圧は上が120とか、下が70とか何となく会話していても、ではこの「上」ってなんでしょう?上の血圧とは、心臓が収縮して血液を体内に送り出すときの血圧です。そうすると下の血圧は血液が体内から心臓へ戻ってきて、次に送り出す血液を溜めているときの血圧のことを言いします。

高血圧この上の血圧があまりにも高いと、「高血圧」という診断がなされます。そして、眼科においても高血圧の方は眼底出血を起こす危険性が高いとも言われています。

眼底には網膜にたくさんの血管があり、あまりにも強い勢いで血液が流れて圧力がかかると、とくに細い血管では破損して目の奥で出血してしまうことがあるのです。目の表面の出血であれば自分で鏡を見れば気が付きますし、他人から見ても「あれ?目が赤いよ」とわかります。

しかし目の奥の出血の場合はなかなか自覚症状が現れません。特に片眼だけ出血している場合は、もう片方の眼が見えているので当人は全く気が付かない・・!ということもしばしばあります。ようやく大出血になって、ふとした瞬間に「ん?見え方が比べてみるとおかしい!」と眼科を受診されるケースが多いのです。いつからだったのかもわからず、今さっき気がついのです!ってことになるのです。

大出血になる前に何とかする。ということを考えると、高血圧の方も定期的な眼底検査が大変重要になります。また、高血圧を改善するには日ごろの食生活(塩分やカロリーの摂取コントロール)や適度な運動も求められます。