ものもらいになったら、眼帯をする?

ものもらいものもらい。まぶたのあたりが赤く腫れあがってしまう、有名な目の病気です。症状の程度にもよりますが、ぷっくりと炎症を起こして腫れていると、風が吹くだけでも痛いんじゃないかと思うほどです。

そこでよく質問を受けることなのですが、

「眼帯はしたほうが良いのか?」ということです。

すでに眼科に来院する時に眼帯をされて起こしになる方もいらっしゃいます。これは心理的に眼帯をしていると炎症部分が「保護されている感」があるのでしょうか?もしくは、こんな腫れぼったい目を他人に見られるのは恥ずかしくて隠しているとか?ただ、何となく?など、理由は様々あると思われます。

しかし、結論から申し上げるとものもらいの時に眼帯はしない。これが第一選択です。

理由としては、眼帯をしていると雑菌が繁殖してさらに悪化させてしまう原因になるからなのです。とくにお子さんの場合は視力の発達に影響が出てしまうこともあるので、むやみに眼帯をすることは避けるようにします。ただし、症状によって先生の指示がある場合はそれに従ってください。

ビタミンCと白内障の予防。

白内障は老化現象のひとつでもあり、年齢とともに発症するのは避けて通ることはできません。しかし「予防」という意味では、ビタミンCを摂取することが有効です。

白内障を悪化させる原因のひとつに、「紫外線」が挙げられています。紫外線を浴びると活性酸素が発生して、水晶体にもともと存在するたんぱく質やヒアルロン酸成分に異変が起こります。これらが白内障の原因になっています。

活性酸素を除去するために、目の中にある抗酸化作用を持つ成分「ビタミンC」が応戦に出ます。ですが、ビタミンCが不足している方とたくさんある方では防御力に差がでます。これが白内障の進行や早期の発症に影響します。そのため、ビタミンCをしっかり摂取していれば、白内障の予防につながるというわけです。

ビタミンCは水溶性ですので、長時間体内にとどまることはできません。一度に大量摂取ではなく、こまめに補給することが好ましいと言われます。よくテレビのコマーシャルなどで言われる1日1000mgは健康を維持する目安ですが、「予防」という観点で考えると2000~3000mgの摂取を目標とすると良いです。

リポ-カプセルビタミンC当院でも、効率よくビタミンCを摂取できる「リポーカプセルビタミンC」をとり扱っています。吸収率が一般のサプリメントなどに比べ約2倍となっています。ご希望の方は受付までお申し出ください。

高眼圧症

眼科医眼圧が高いと緑内障が疑われますが、眼圧が高くても緑内障と診断されないこともあります。

緑内障と診断される際、「眼圧」「視野の欠損」「視神経乳頭の異常」が判断基準に挙げられています。眼圧の値は正常範囲は10から20mmHgといわれていますが、この数値を超えていても、視野に欠けたところもなく視神経乳頭に異常もなければ緑内障ではないと判断されます。

この眼圧だけが高い場合は「高眼圧症」とよばれます。

高眼圧症と診断になっても、今後緑内障になっていないかは定期的に検査を受けて確認をしていく必要があります。

高眼圧症と診断後、真の緑内障になる方は10%超といわれています。視野が欠けたとこに気がついたときには、緑内障はかなり進行した状態になっているので、安易に眼科受診をやめてしまうのは危険です。先生の受診指示を守るよう心掛けてくださいね!

ストレスを溜めすぎると、視界がゆがむ?!

今回は表題のとおり、過度のストレスが眼病を発症させるという点についてお話いたします。

特にこの病気が起こりやすりのは、男性の30代~40代くらいの方といわれています。この年代だと毎日の仕事や家庭の事など様々なストレスを日々抱えているかと思いますが、これを溜め込みすぎると中心性網膜炎、正式には中心性漿液性網脈絡膜症(ちゅうしんせいしょうえきせいもうみゃくらくまくしょう)という病気にかかることがあります。

どんな病気かというと、物を見るために重要な網膜の下に水が溜まって物が歪んで見えたり暗く見えたりと生活上に大きな支障をもたらします。眼底検査をすることによってすぐに診断されますので、こういった症状がある場合はすぐに眼科を受診してください。

実際に眼底の断面を撮影してみると、明らかな違いがわかります。
正常な眼底中心性網膜炎
左側は正常な眼底の断面図です。右側は中心性網膜炎を起こしている断面図です。

右側の写真の赤い丸枠に囲まれた部分に、三角の突起が見えます。網膜の下に水が溜まって中心部分が盛り上がってしまっているのがよくわかります。水が溜まった位置によって、視力低下や歪み、色覚異常、暗く見えるなど症状が異なります。

もし、中心性網膜炎と診断されてしまったら、何よりもリラックスして休息をとることが大切です。これが第一段階の治療と言われています。症状によっては薬やレーザー治療になるケースもありますがともかく休息することが大切です。また、失明に至るまでの事はほぼありませんが再発しやすい病気です。再発を繰り返していると視界のゆがみが残ることがあります。

視力検査、0.1以下はどうなるの?!

ランドルト環親御さんが視力が良い場合、お子さんの視力が例えば0.1になっていたことを聞くとやはり驚かれます。通常は1.0あれば視力は良いという一般的な学校視力をご存知であるからだと思います。また、「この下の視力はあるんですか?」という質問を受けることがよくあります。

無論、0.1以下の視力も存在します。ただし、数値で表せるのは0.01までとなります。

視力0.1→0.08→0.05→・・・・・・・→0.01といった具合で、どんどん数値が小さくなりますが0.01の下は0.009と小数点第3位で表すことはありません。

しかし、0.01より下がったからといって、目が見えなくなるわけではありません。50cmの距離でも0.1の指標が見えなくなったとき、すなわち0.01の視力がないとされた時は、他者の指が何本見えるか、眼前何cmの距離のところまでなら判別できるかということを調べます。指数弁という視力評価になります。

これもダメ・・・。となると眼前何cmのところで他者の手が動いているのが判別できるかを調べます。これは手動弁という視力評価になります。

そして、これもダメ・・・。となると、暗室で光が確認できるかを調べます。これが最後の検査です。光が見えれば、光覚弁という視力評価になります。最後になりますが、光も見ることができない=全盲(視力0)ということになるのです。

お子さんが泣いている時に目薬してもダメ☆

目薬点眼小さなお子さんが目薬が処方された場合、「子どもが嫌がって点眼させてくれない」というお声をよく耳にします。 どのようにして目薬をさすかは親御さんによってもさまざまですが、お子さんが泣いている時に無理やりに目薬をさしても何の効果もありませんのでご注意を!泣いていると、目薬をしても涙ですぐに薬液が流されてしまうのです。

泣いていなければ、目をつぶっていても構いません。下まぶたの辺りをひっぱって、数滴たらしてあげれば十分です。仰向けの状態の方が点眼しやすいです。また、目薬はあまり高いところからさすと薬が目に入ったときにビックリしたり、急にヒヤッとする感じを嫌がる可能性もあります。ですので、なるべく低めの位置で目じりのあたりから点眼するほうが不快感は減るはずです。

では、どうしても点眼をさせてくれない場合はお子さんが寝ているときを利用します。ウトウトしているときではなく熟睡しているときを狙います。そーっと下のまぶたを引き下げて点眼します。朝も起きる前に点眼してしまいます。本来であれば先生の指示通りに点眼するのですが、まったく点眼できなかった!ということは避けるようにしましょう。

レーシックに年齢は関係ある?

近視矯正手術「レーシック」は、とても手軽に受けられるものになりました。そうなってくると、いろいろと患者さんからの質問も増えてきます。最近多いのは、「レーシックして、老眼が治るの?」です。

ここで考えてみたいのは、「度数の変化が起こる」という点です。レーシックをしたときは良くても、数年で度が進むという事があれば、見え方は変わります。子どもの成長期には近視が進みやすいので、レーシックをした後にまた、近視が進行する確率が高いのでこれは避けるべきでしょうという一般論が多いです。そうなると、老眼世代の場合もレーシック後に老眼が進行するのでやはり変化が出てきます。

しかし、これ以上に考えて欲しい点は「白内障」「緑内障」「網膜疾患」などを含めた他の眼病です。レーシックは角膜を削り、光の屈折を変えて網膜上に焦点が合うようにするものですが、いくら角膜の屈折率をレーシックで変えても、例えば「白内障」で水晶体が白く濁っていたら見え方の改善にはなりません。「緑内障」で視野が欠けているのであれば、それが治るわけでもありません。その他の病気が原因で見え方が改善しないということがあるのです。老齢とともに、目の病気も発症しやすくなりますし、白内障なんて全員なると言ってもいいでしょう。

そうすると、老眼世代の方がレーシックをしてメリットの方が増えるとは言えないのが現状ではないでしょうか。

目の酸素不足

まつ毛と角膜角膜(黒目)は血管の無い組織のため、涙や空気中から酸素を取り入れています。

そのためコンタクトレンズなどで角膜を覆ってしまうと、目が酸素不足になってしまいます。
目が酸素不足になると様々な症状が出てきます。
血管の無い角膜は慢性的な酸素不足に陥ると、酸素不足を補おうとして角膜の周辺部(白目の部分)から血管が侵入してきてしまいます。血管は真ん中に向かって伸びていくため、進行してひどくなれば視界にも入ってきて、最悪の場合失明することもあります。
もう一つ、目に酸素が十分に供給されなくなると「角膜内皮細胞」という細胞が減少してしまいます。角膜内皮細胞は加齢とともに減少していくものですが、コンタクトレンズの無理な装用などで若い人でも減っていってしまうことがあります。
角膜内皮細胞は角膜の透明性を保つ働きをしています。角膜内皮細胞が減ると角膜が濁ってしまい、最終的には角膜移植などの治療しか方法がなくなってしまいます。
角膜内皮細胞は一度死んでしまうと再生されない細胞のため、減らないように気をつけるしか方法はないのです。
さらに角膜内皮細胞は手術などのダメージでも減少してしまうとされているため将来白内障などの手術を受ける際に、角膜内皮細胞が少ないと手術自体が危険とみなされ、手術ができない恐れもあるというので怖いですね(>_<)
目も呼吸をしているのだということを常に意識して、無理なコンタクトレンズ装用などはすぐにやめましょう。

 

緑内障になったら、一生点眼をやめることができません。

目薬先日、10月10日は目の愛護デーでした。さまざまな所で、目の健康や定期健診の重要性などを啓蒙するポスターなどを見かけましたが、皆さんはいかがでしょうか?

目において、最悪の事態というのは失明です。中でも「緑内障」は、視野が徐々に欠けていき最終的には失明に至ります。日本人は眼圧が正常にも関わらず緑内障と診断される「正常眼圧緑内障」にかかる方が多いとされています。さらに緑内障は初期段階で自覚症状が出ることはほとんどなく、気がつきにくい病気です。

緑内障であるかどうかは、やはり眼科で検査・診察を受けなければわかりません。そして、緑内障と診断されたら、緑内障治療の目薬を一生やめることはできません。治療といっても治す(完治する)ものではなく、これ以上悪化させない(悪化するスピードを遅くする)という目的で使います。

では、そもそも緑内障にならないようにするにはどうすれば良いのか?と思いますが、これは現代の医学ではまだ解明されず、○○をすれば緑内障にならないと断言できるものがありません。予防として挙げられているのは、目にとってよい栄養素をたくさん摂る=バランスの良い食事が大切ということです。

片目は近視、もう片方の目は遠視。

メガネ大抵の場合、私の目は近視ですとか遠視ですという場合、「両目とも近視」もしくは「両目とも遠視」と思われますが、片目ずつ違う場合もあります。左右の目はそれぞれ独立した器官なので、例えば右目は近視で左目は遠視ということもあり得ます。

しかし、こういった場合は程度にもよるのですが視力矯正をするためのメガネが非常にツライものになりやすいのです。

近視を矯正する場合は凹レンズ(光を拡散するレンズ)、遠視を矯正する場合は凸レンズ(光を収集するレンズ)を使います。そのため、凹レンズを通して見た物体は小さめに見えて、凸レンズから見たのは大きめ見えます。

また、人間の目では片目だけの視野は鼻側に約60度、耳側に約100度と言われています。 そうすると、近視の目に対して遠視を矯正するレンズ、遠視の目に対して近視を矯正するレンズがお互いに邪魔な不必要なものに感じてしまいます。そのため、頭痛や眼精疲労を起こしやすくなります。

こういった場合はある程度、掛けていられる(違和感のない)くらいの度数を眼鏡に入れて左右の見え方の差を縮めるようにします。あまりにも左右差があるときは、コンタクトレンズでの矯正も考えると良いでしょう。