視力0.9と1.0の差にこだわる必要なし?!

ランドルト環メガネの掛け合わせをするときに、0.9にするか1.0まで見えるようにするか、結構悩んでしまうという方っていらっしゃいます。「視力1.0というとしっかり見えている!」という一般的な概念がやはりあるからでしょうか。

では視力1.0とはいかなるものかというと、5m離れた位置からランドルト環「高さ7.5mm」「Cの太さ1.5mm」「切れ目の部分の幅1.5mm」が判別できるということです。
(※ランドルト環・・・視力検査の時に見てもらう「C」の表のことです)

視力0.5用のランドルト環の大きさは1.0用の2倍、0.2用は5倍、
0.1用は1.0用の10倍の大きさとなっています。

これをふまえて考えますと、0.1 の視標と 0.2 のランドルト環は実物を見るとわかりやすいのですが、大きさがかなり違います。「0.1しか見えなかった方が、0.2まで見えるようになった」という1段階の変化は、視力検査上、大きな変化があるということです。しかし、0.9見えている方が1.0まで見えるようになったというのは、実は視力上では大した変化ではありません。

0.1→0.2と0.9→1.0というのはともに表記上で見ればどちらも1段階の差ですが、視力上として考えると大変な差になっています。

この差を%で比べてみると、0.1から0.2の差を100%としたとき、0.9から1.0の差はわずか10%です。そう考えると、視力1.0に固執する必要はあまりないということかもしれません。ご参考にどうぞ☆

風邪と結膜炎

風邪をひくと、メヤニや充血が起きたりと目にもトラブルが起こります。一般的に風邪の合併症として、結膜炎は非常に起こりやすい病気といわれています。理由は風邪をひいている状態だと免疫力が落ち、細菌感染しやすい状態になります。また、風邪のウィルスが体内にまわり炎症を引き起こすこともあります。
風邪と結膜炎

メヤニや涙・ゴロゴロ感があれば、この症状を改善させるために目の治療も何とかしていきたいところですが、風邪の合併症として起きた結膜炎は風邪が治ると自然と良くなります。そのため、自然治癒力に任せる場合が多くあります。しかし、目の炎症がひどい場合には炎症を和らげる目薬を点眼することもありますが、この場合は風邪ウィルスが原因のため特効薬はありません。よく栄養をとって休養をし、体の抵抗力をつけてウィルスを撃退するほかありません。

ただし、風邪をひいたのと同じタイミングでアデノウィルスに感染している場合もあります。非常に感染力の強い結膜炎ですので、安易に放置するのは避け、眼科医の診断を仰ぐようにしましょう。

アレルギーの原因は一年中存在しています。

アレルギー眼科でいうアレルギーというと、「花粉症」で目がかゆい、赤いといった症状を思い浮かべると思います。花粉症は季節的なもので、春ごろ3月4月あたりに飛散するスギの花粉にアレルギー反応を起こす方が多いようです。

しかし、アレルギーの原因は季節がすぎれば症状が改善されるものばかりではありません。1年中いつでも存在するアレルギーの原因物質はたくさん浮遊しています。代表的なものでは「ハウスダスト」「ダニ」「カビ」などが挙げられます。これらは住まいの中に普通に存在しているものです。なかでも<ハウスダスト>が圧倒的にアレルギー症状を引き起こす原因といわれています。こまめに掃除や洗濯をして、原因物質が多量に飛散しないようにすることが大切です。

また、このタイプのアレルギーの場合、鼻やのどに影響を及ぼすほうが大きく、目の症状は直接的に目に入らなければ重篤化することは少ないようです。しかし、目の場合は化粧品等などの(特にパウダー)、アイシャドウ、アイライナーなどにも気をつける必要があります。

眼科でも飲み薬が処方されます。

眼科でもらう薬というと、点眼薬を想像されると思います。 点眼薬(目薬)は主に目の表面の角膜(黒目)、結膜(白目)、まぶたのあたり等に よく効くお薬ですが、目の奥のほうにある網膜・視神経などには目薬では届きません。

そのため、内服薬(飲み薬)を使用して薬剤を血流を通して症状を改善させることになります。たとえば網膜に出血(眼底出血)したとき、目薬を点眼したとしてもなかなか薬剤の効果は届きません。こういったときに飲み薬で止血剤を飲めば、血流を通して薬の効果が発揮されるというわけです。
眼球断面図

眼球の断面図で考えると、右半分のあたりには内服薬(飲み薬)、左半分のあたりは点眼薬(目薬)が効果的と考えられます。

 

眼科のお薬=目薬というイメージがありますが、どの部分に薬の効果を届けたいかによって内科と同じように飲み薬が先生から処方されることもあるのです。

眼科で処方された内服薬は特に飲み忘れたりとかすると、大きな障害を残すリスクも高くなりますので指示を必ず守るようにしましょう。

乳幼児への眼帯は、むやみにしてはいけません。

お子さんに「ものもらい」ができたり、真っ赤に炎症を起こしている時には眼帯を当ててあげよう!というのはご両親の優しさなのですが、乳幼児の場合、視力が発達しようとしているまさにその最中なのです。

ほんの短期間の間でも、視界「ゼロ」の状態を作ってしまうと、「弱視(じゃくし)」を引き起こす可能性があります。弱視とは、簡単にいえばメガネやコンタクトレンズなどを用いても、視力が出ない状態を言います。

先天性の白内障、まぶたが開きにくいなども視力の発達を阻害する原因のひとつになっていますが、眼帯もこれらと同じ状態をつくってしまっていることになります。

眼帯をしておくと、目を守っているような安心感があるようですが、実は視力の発達には大きな影響を及ぼすことになりかねません。安易に眼帯をすることは避けるようにしましょう。
ただし、眼科医から治療上において指示が出た場合ははずさないようにしてくださいね!

白目のところにある黄色っぽい出来物の正体は?

ようやくコートが必要なくらい涼しい日が続くようになりました。ところで、ふと鏡を見たときに白目のあたりに黄色っぽい盛り上がりのような出来物を見つけたことはありませんか?

ちょうど写真の矢印の指している部分です。

瞼裂斑

 

 

 

 

 

これは「目の老化」のひとつで、『瞼裂斑(けんれつはん)』と呼ばれます。簡単に言えば、目の中にシミができたようなものです。このカタマリのように見える黄色い出来物は、たんぱく質が変性したものです。黄色っぽい感じで、よーく鏡を覗き込んだときにわかる程度のものです。

特に人体に害を与えたりすることもありませんので、通常は気にせずに放っておきましょうという診断が先生からおりるでしょう。どうしても外見的に気になるという方は、手術にて除去ということもありますが・・。

シミができたようなもの、というとおり紫外線などが原因として挙げられています。夏の間にたっぷりと紫外線を浴びてしまった!!という方は、もしかしたら目の中に瞼裂斑ができあがっているかも?!

高度管理医療機器がポストに投函。

ポストコンタクトレンズは高度管理医療機器に位置づけされています。高度管理医療機器は、使用方法を間違えると人体に大きな障害を引き起こす可能性があります。以前の医療用具の位置づけより、危機レベルが引き上げられたのは数年前のことです。それにもかかわらず、ネット販売等で眼科医の処方なしでも購入が容易にできるというのは随分と矛盾した話にも思えます。

ところでネット販売で購入したときですが、その受け取り方は通常では宅配便で手渡しされている事がほとんどです。しかし、メルスプランをはじめ世にコンタクトレンズを多数送り出してきた製造メーカーのメニコン社は宅配便で届けるのではなくポストにコンタクトレンズを入れてお届けしているのです。本来であれば対面手渡しが必要であるはずの高度管理機器だと思うのですが、ポストへ。

不在でも受け取りができる事を考えれば便利なのかもしれませんが、さすがにポスト投函はどうなのでしょう。ただ、これが違法であるとかそういった法律はいっさいありません。

夏の炎天下で朝から晩までポストに入れっぱなしになっていたら、製品に影響はでないのかしらと、こんな仕事をしていると考えてしまいます。もちろん、メニコン社が問題ないと確認したうえで行ったのだとは思いますが、最善の方法だったのでしょうか。

メガネもフィットさせて使いましょう!

めがねメガネの検査を希望で眼科を受診される患者さんが、毎日たくさんいらっしゃいます。近視や遠視・乱視などで見え方を矯正しなければならない方には必須のアイテム、それが「メガネ」です。

眼科内ではテスト用のレンズやフレームを使い、どのくらいの度数で見えるか、使用して違和感がでてこないかなどを測定し、その検査値をメガネ屋さんに託します。(眼鏡処方箋)

その後ですが、数ヵ月後に定期検査にいらっしゃった患者さんを見ていると、結構メガネを掛ける位置が離れていたり、下にずり下がっている方をお見受けします。

メガネは耳と鼻のところで固定して視力を矯正するものです。また、まさにこの位置に掛けた状態が一番視力矯正ができる(物が見える)状態であるのです。そのため、黒目からメガネを離しすぎていたり下方にずらしすぎていると、測定値の度数を入れても見えにくい!となってしまいます。メガネのレンズ真ん中で見てたときと、端のほうで見たときの見え方は違います。度数もすべての面に同じように度が入っているわけではないのです・・。

多少メガネがずれてしまうというのもわかりますが、その場合は所定の位置に是非、戻してあげてください。

ソフトコンタクト用洗浄消毒液は、医薬部外品を選びましょう!

エピカコールドアクアモアレニューフレッシュオプティフリープラス

 

 

 

ちょっとした雑学的なことですが、ハードコンタクトレンズ用は雑品扱いで、ソフトコンタクトレンズ用の洗浄保存液は「医薬部外品」があります。これは”消毒”の効果に付随するものと考えられます。

化粧品などにも医薬部外品と記載があるものとないものがありますが、これは簡単にいえば有効成分に確かな効果があり、安全性が認められているか否かの違いとなります。

ソフトコンタクトレンズのケアは

1)洗浄 → 2)すすぎ → 3)消毒 →4)保存  

これら4つの工程を行うことが必要となっています。洗浄保存液は、アルコン社のオプティフリー、ボシュロム社のレニュー、メニコン社のエピカコールドなど、これら以外にも様々な商品が市場に流通しています。

どれでも同じ!安いので!などと、安易に選択していたという心当たりがあるという方は、是非「医薬部外品」とパッケージに記載のあるものを次回から選んでみてはいかがでしょうか。しっかりとした手入れは、目の炎症を未然に防ぐ役割も果たします。

眼圧は高すぎても、低すぎてもダメ。

高血圧と低血圧。なじみのある言葉で、高血圧だと、病的イメージが強いと思いますが低血圧も良しとしたものではありません。

同じように目でも眼圧が高い!!というと、緑内障などの視野異常の病気があるというイメージが浮かびます。その逆の「低眼圧」。すなわち眼圧が下がりすぎた場合も良しとしたものではありません。眼球は眼圧によって、弾力のある丸い球体を維持します。眼圧が低すぎると、例えれば空気の抜けたボールのようになり、視力が出にくくなります。

眼圧値に異常がある場合は、正常範囲とされる眼圧値10~21mmHg程度になるように通常は薬を使ってコントロールしていきます。眼圧は自分自身で測ることができません。1ヶ月に一度を目安に検査を受けて、正常値が保たれているかを確認しましょう。

また、正常値だからといって100%安心というわけではありません。眼圧値が正常でも「正常眼圧緑内障」という病気が潜んでいる場合もありますので、本当に病気がないのかを先生に診てもらって判断してもらいましょう!