受診を後回しにしていたら、治療費も倍増しますよ~!

病院1日の診療終了後、先生もスタッフも帰り支度を整えて医院を出ようとすると、

「目が真っ赤に充血してて痛みもあるんです。診てもらえませんか!」と、駆け込んでくる患者さん。これは大変!!すぐに準備して診察。先生が「いつからですか?!」と問うと、「今朝からです」とのこと。あらら、今までの時間、我慢していたのでしょうか・・。

遅くなるまで、放置していた理由については、仕事があって受診できなかったと。ご事情はわかるのですが、もう少し目を大切にしてあげてほしいとも思われます・・。

そして、病院に行くのを我慢できなくなるまで待ってからとか、後回しにして受診をしても何も良いことはありません。

症状が悪化し、早期処置が必要であった場合は手遅れになってしまう可能性があること、さらに悪化した症状を改善するために処置や薬も増える。よって治療費も倍増、さらに治療を受けた時間帯などによっても追加料金発生!!なんてことになります。

前述のようなケースで診療の時間外に駆け込んでいらして、診察を受けられた場合には通常支払う治療費にプラスして、時間外加算という料金が発生します。他にも休日加算、深夜加算などさまざまな医療費が国によって全て定められているのです。同じ治療を行っていても、診療時間内で診察を受けた患者さんのほうが医療費も少なくて済むのです。

目だけではありません。異常を感じたら、我慢せずにすぐに病院受診をしてくださいね☆百害あって一利なしです。

左右に違うコンタクトレンズを入れるのはアリ?ナシ?

コンタクトレンズ目は二つある対称器官ですが、全く同じではありません。左右の近視の度合いが違ったり、目の大きさが違ったりと様々です。そこで、こんな質問を受けることがあります。

「左右で違うコンタクトレンズを着けても良いの?」ということです。

 

そして回答としては「目に合うものでしたら、特に禁止する理由は見当たりません。」といったところでしょうか。

例えばどうも最近、使用しているコンタクトレンズが見えにくくなったと訴えた患者さん。どうやら原因が乱視のようです。それも片目だけ、乱視の度数で矯正しないと見えません、といった場合は片目だけ乱視用、もう片方は乱視用ではないものを使用することになります。これはもう仕方のないことなので、諦めてくださいとしか言えません。

他にも左右わかりにくいから、違うパッケージのものを使用されるという方もいらっしゃいます。

ただし、ここで注意していただきたいのは使用感に”差”が出るということです。右のレンズは問題ないけど、左だけ目が乾く症状が強いとか、他にもちょっと片目だけレンズの存在感が気になるとかですね。

基本的には左右の同じレンズを入れたほうが様々な面においてバランスが取れて違和感が少ないはずですから、処方上の理由が無い限りは同じレンズを使うほうが賢明のように思われます。

目が腫れるのは、アレルギー?!

早いもので、もう10月です。秋は比較的、目の感染症などの猛威からは外れた時期といわれるのですが、実はブタクサなどの秋の花粉が飛び散っています。花粉からの影響と考えると、充血やかゆみといったアレルギー性の結膜炎の症状に悩まされる方も多くいらっしゃいます。

しかし、「目が腫れぼったい」という症状についてはいかがでしょうか?

このブタクサアレルギー体質の方が、メロンやスイカ、キウィ、バナナ、ミカンなどの果物を食べると果物過敏症が起こり、目が腫れるという症状が出るケースがあります。目が腫れる、イコールものもらいといったイメージがありますが、アレルギーが原因で目が腫れるということもあるのです。

では、ご自身が何のアレルギーがあるのかというのは、眼科で目を診ただけではわかりません。内科や皮膚科等で行っている何が原因で炎症(アレルギー症状)が起きているのかを調べる必要があります。自分自身でも春ごろに飛散するスギ花粉が飛散するころに調子が悪い、特定の食品を食べると発疹が出るとか気が付く点もあるかとは思います。原因を特定されたい場合は一度アレルギーテストを受けてみるのも良いかもしれません。

火山灰は目にとっても、大変危険です!

昨日、御嶽山が噴火をしたことでニュースがひっきりなしに流れていました。火山灰は人体に大きな被害をもたらすので、注意しなければなりません。特に灰を吸い込んでしまうと呼吸器系、肺や心臓に影響が出るというのは、大人であればすぐに思いつくことなのですが、”目”に関しましても、要注意です。

 

火山灰は”灰”という文字で表記されるので、見たことが無い場合、”細かい砂?”のようなイメージを持たれるのでしょうか・・?しかし、火山灰は粒子自体は小さいのですが、一般的な砂よりも先が尖ったりしています。目に入ると、角膜を傷つけて炎症を起こしたり、剥離させてしまう危険があります。目に入らないよう、ゴーグルを着用するなどして対策が必要です。

 

そして、こういった事態が近くで起きたらともかく「メガネ」に切り替えてください。火山灰が降ってきたときに「コンタクトレンズ」をしているなんていうことがないよう、常に目に合ったメガネは携帯しておくように心掛けましょう。

そろそろ使い捨てレンズに転向するべきか。

ジョンソン&ジョンソン ワンデーアキュビューここ10年くらいで、コンタクトレンズというものは日常生活に大変なじむものとなりました。

コンタクトレンズといえばひと昔前まではハードコンタクトレンズの事でした。本当にガラス玉のようなものを目に入れて視力を矯正していました。次いで、使い捨てではないソフトコンタクトレンズ(以下、従来型ソフト)。ハードのようなゴロゴロするような異物感などもなく視力を矯正できたので、多くの方に利用されるようになりました。

従来型ソフトは、ハードコンタクトレンズが使用できない方にとってはありがたい存在ではありましたが、残念ながら感染症のリスクが大変高い点と、手入れに熱消毒(いわゆる煮沸)を行って殺菌したりする手入れの手間が大変という声が多くあがっていました。さらに酸素透過性などの性能面もハードに比べて低く、トラブルも絶えることはありませんでした。

そこで登場してきたのが、使い捨てコンタクトレンズでした。当初はフォーカスデイリーズやワンデーアキュビューくらいしかありませんでしたが、その手軽さと眼障害を未然に防ぐ上では眼科医からの信頼も厚かったのです。それもあり、各社製造メーカーの開発も、使い捨てコンタクトレンズに注がれていくようになりました。

ただ、使い捨てタイプでは毎日必要不可欠な視力のために使うとはいえ、多大なコストがかかりました。(当時は1箱4~5千円くらいが相場でした)そこで、頻回交換タイプ(2ウィークタイプ等)が主流になっていったようにも思えます。

現在では、酸素透過性の高いシリコーンハイドロゲル素材のコンタクトレンズが大半をしめ、眼科で処方受ける際には耳にタコができるくらいどの眼科の先生も勧められるはずです。

しかし、未だ根強く従来型ソフトを使用している患者さんをお見かけします。度数などのカスタマイズといった処方的理由を除き、利点としてはコストカット以外あまり思いつくものがありません。事実、多数の製造メーカーが従来型ソフトの製造を中止していて、新製品は開発すらされていないのです。

使い捨て(頻回交換)レンズも、現在ではかなり安価に手に入るようにもなりましたし、ここはひとつ目のためを思って乗り換えてみることをお勧めします。

目も呼吸をしています。

目も呼吸をしています。肉眼でちょっとのぞきこんだだけではわかりにくいのですが、確かに呼吸をしています。

近年はコンタクトレンズユーザーが1500万人にものぼり、その影響で角膜障害が起こる危険が高まっています。

コンタクトレンズなどをつけて持続的に酸素不足の状態が続くと、「角膜内皮細胞」が死んでしまい数が減少します。角膜内皮細胞は透明な状態を保ち、物を見るために大切な働きをするものです。

そして角膜内皮細胞そのものは、増加することはありません。生まれた時が一番多く、年齢を重ねるとともに減少していくのみです。この細胞の多さを保つためには、酸素の供給が必要不可欠なのです。

さらに酸素の不足で生じることは、目に細菌がつきやすくなり炎症を起こしやすくなります。目の酸素が不足すると、角膜の上皮細胞が剥離しやすくなり、この剥がれ落ちた部分に細菌が付着しやすいというわけです。

たとえば、角膜に付着しやすい”緑膿菌”という細菌がありますが、この細菌は一般的なハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズで比べた場合、酸素透過率で劣るソフトコンタクトレンズのほうが細菌の付着率は約4倍も高いと言われています。

ひどい状態に陥ると大気中から酸素を取り入れなれなくなった目が呼吸をしようとして、黒目にまで血管をのばし、血液から酸素を供給しようとします。最悪の場合、失明に至ります。

自覚症状がなくても、目は悲鳴をあげているかもしれません。ご注意を・・。

目が良くなるコンタクト?!

さくら眼科では、数多くの種類のコンタクトレンズを処方しています。そんなとき「目が良くなるコンタクトレンズ」をテレビで見た!処方してほしい。とご要望をいただくことがあります。

「???目のよくなるコンタクトレンズ・・?」

そのほかの特徴を伺ってみると、どうやら”オルソケラトロジー”のことのようです。

テレビや雑誌などの広告や謳い文句が”目のよくなるコンタクト”と言われているせいか、患者さんたちからは多大な期待が寄せられているようです。なんといっても、生活上からメガネやコンタクトレンズをしなくても物が見えて、活動できる!というのですから、興味津々ですよね。

では、オルソケラトロジーとはどういったものなのか?というと、簡単に言えばハードコンタクトレンズを着けている時間帯を「昼間」→「夜間(就寝時)」に逆転させたものです。ですので、「目が良くなる」わけではありませんので、お間違いなく・・・!

夜間(就寝時)にオルソケラトロジーをしたまま寝て、朝起きたら外します。そうすると、角膜が一時的にきれいなカーブを描き、視力が矯正されるというものです。そして、日中はメガネやコンタクトレンズをせずに生活できるので、これは便利です。仕事上やスポーツなど、メガネやコンタクトレンズをしていられないケースでは非常に役立つかもしれません。

しかし根本的な治療をして治したわけではありませんので、永久的に見えるわけではありません。毎日、就寝時にオルソケラトロジーを装着しなければ元にもどります。また、軽度の近視や遠視の方といった限られた方にしか適合しません。角膜への酸素不足や傷やなどを含め、懸念されることもたくさんあることもご周知いただければと思います。

(※ちなみに、さくら眼科ではオルソケラトロジーの処方は行っておりません・・)

おしゃれ用カラーレンズは、ほどほどに。

人間は1日に約14,000回くらい、”まばたき”をします。

特にコンタクトレンズをしている方は、 まばたきをする度にまぶたの裏と摩擦を起こします。

カラコンは、少なからず着色をするために金属塗料をレンズに入れ込んでいるので、 通常のソフトコンタクトレンズより厚みがでます。 摩擦は数回でどうなる・・・というわけではありませんが、 数が増えれば話は別です。

レンズに厚みが増すと、表面の涙の層が薄くなり乾きやすくなります。 乾いたところで摩擦が起きると、目の傷につながります。 おしゃれをしたい!という気持ちはわかりますが、 時間帯を短くするなど、ほどほどにして使用するようにしましょう。

ゴロゴロしているのに我慢して使ってしまおう!といったことがないよう ご自身の眼を守るということも必要です。

 

ちなみに、傷が付いてしまったときに コンタクトレンズを中止せずにレンズの上から点眼なんてしていたら いつまでたっても回復しませんよ~・・。

iPS細胞による網膜手術が成功しましたね!

網膜手術先日ニュースでも大きく報道されましたが、先端医療センター病院でiPS細胞を用いた世界初の網膜手術が成功されました。患者さんはトラブルもなく順調に回復中とのことで、喜ばしい限りです。そして人間の網膜を人工的に作れることにも驚きです。

今回は目の難病と言われる加齢黄斑変性症の患者さんにこの人工網膜を移植して成功させたということです。難病と言われるのは、効果的な治療方法がないからなのです。

加齢黄斑変性症は、年齢とともに網膜の色素上皮や脈絡膜の機能低下が原因と言われています。この年齢とともにというところが治療をするうえで一番難しい点でもあります。今までの治療法は「進行を遅らせる」とか「レーザー凝固」などが一般的で、根本的に治すということには至っていなかったわけです。

しかし、今回は人間の網膜を人工的に培養して作り上げ、網膜そのものを元気なものに取り換えたということで、大変画期的な治療方法となったわけです。人間の臓器部分の移植って本当に難しいもので、拒絶反応を起こしたり、うまく適合しなかったりと大変なことなのです。医療がこれからも進歩していくのを心から応援したいですね。

遠近両用コンタクトレンズと、脳の働き。

近両用コンタクトレンズ。遠くも近くも見える!ということで、試しに使ってみたという方も多いのではないでしょうか。でも、どうして遠くも近くも見えるようになるのでしょうか?

ここでまず「メガネ」を思い出してみてください。

遠近両用メガネの構造一般的な遠近両用メガネは左の図のような作りになっています。メガネは目線を動かした位置によって見え方が異なります。

遠くを見る時は真っ直ぐ正面を向いて物を見ますので、レンズ上方から真ん中あたりまでは遠く用の度数が入っています。近くを見る時は寄り目にしながら物を見ますので、鼻側の下方あたりに近くを見る度数が配置されます。メガネは耳と鼻でレンズの位置が固定されるので、固定されたレンズを通して物が見える、という状態です。

 

対して、コンタクトレンズの場合はどうでしょうか?ソフトコンタクトレンズの一例をみてみます。
一枚のレンズに、遠くを見る度数と近くを見る度数が全部入っています。

ワンデーピュアマルチステージ遠近両用デザインしかし、黒目の上に直接のせてしまうのでメガネのように寄り目をしたりして見る・・ということは難しいです。

そこで、目と脳の関係がでてきす。”目”は脳の一部ということを以前からお話していますが、まさにこの機能を活用して物が見えているのです。

遠近両用のコンタクトレンズをすると、遠くも近くも見える状態になっています。遠くの物を見ているときは自然と近くの物がボヤけながら見えます。近くを見ているときはその逆の状態になります。これは、より鮮明に情報が脳に伝わってきた方を見えていると認識しています。個人の意思で操作するものではないので、何かしなくてはいけない事というのはありません。

ただし、便利なようにも思えますがコンタクトのフィット状態が良くなかったり、ドライアイの症状が出たりなどでコンディションが悪いと良好な視界は確保できません。見え方に対する満足度も個々に差があります。よく試してみてから使用するとよいでしょう。