コラーゲンプラグでドライアイが軽症に!

本当に重度のドライアイ症状でお悩みの患者さん、特にシェーグレン症候群のような「涙が極めて少ない」「目の表面に傷が多い」といったケースの場合、涙点プラグによる処置を行うと症状を非常に軽くすることができます。

当院でも使用しているコラーゲン製の涙点プラグは、安全性が高く生体親和性に優れたアテロコラーゲンを原材料としています。シリコン製とは違い、非常に柔らかいので処置後の異物感や周辺の組織への刺激がほとんどありません。液体であるので涙点のサイズを問わず処置が可能なのです。

実際に処置を行った患者さんからも、「とっても楽になった!」「目薬を差す回数が極めて減った!」「異物感がゴロゴロ感が改善された!」など、喜んでいただいたお話を耳にします。

涙点人間の目には、上下左右合計4つの涙点があります。涙腺から分泌された涙は、涙点から出て鼻へ流れ出て行きますが、コラーゲンプラグはこの涙点にフタをして涙を溜めておく役割をするものとお考えください。
また、液体コラーゲンは2ヶ月程度で吸収されてしまいますので、効果が薄れてきたときに再度注入を行うようになります。

涙点プラグをご希望の方は、一度診察にてご相談ください。

目薬は数多く使えば安心?!

目薬何かツライ症状があるとき、薬を飲めば何とかなる。そのように思われるのは自然なことなのですが、本当に必要かどうかをよく主治医の先生と相談いただくのが先ず必要なことです。

眼科で処方される目薬であっても、「たかが目薬」と思わずに「薬」として考えてくみてください。目薬でも喘息を悪化させたり、肺や心臓にまで影響を与えることもあるのです。点眼する目薬の数が増えればそれだけ副作用のリスクも2倍、3倍と高まるのです。

また、数多くの目薬を点眼すると本当に効果を出したいお薬が作用していないという事もあるのです。

複数の目薬を点眼するときには、先に点眼してから最低でも5分は時間をあけてから次の目薬をさすことが必要です。時間をあける理由は、先に点眼した目薬が後から入ってきた目薬に押し出されてしまうからのです。複数の目薬をしっかり点眼しているのに効果が出ないという方の理由もここにあるのです。

そういった事から考えると、複数の目薬をさしておけば安心!という訳ではなく、むしろ「気をつけなければならない」とお考えいただければと思います。

眼科の先生方も極力リスクは減らし、でも必要な薬は使用しなければならないので非常に考えながら患者さんごとにケースバイケースで対応をしていらっしゃるのです。

片眼だけ白内障?!

白内障といえば、一般的には老化とともに起こる病気のひとつです。髪の毛が白髪になるのと同じように、目の中にある水晶体が白く濁ってしまうのです。そのため、視力低下などの異常をきたします。

転倒老化現象の1つといえば、両眼とも同じように白内障の症状が出るように思えます。しかし、目は対称器官ではありますが、右目と左目は別物と考えられています。

実際に、片眼だけ白内障の症状が発症しているというケースもあります。片眼のみ白内障が発症している場合、「外傷性白内障」と診断されることが多いようです。外傷性白内障とは、片眼だけ大きな怪我をしたことが原因で白内障になったということです。例えば、子供のときに野球のボールが当たった、転んだりして目をぶつけたなどが引き金になることがあります。

また、覚えてもいないような小さな怪我が原因となっていることもあり、患者さん当人も「目に怪我をした覚えなんてない」ということもよくあります。

いずれにしても生活上に支障が出ることも考えて、前向きに手術による治療を考える方が良いと思われます。もう片方の眼が見えているから大丈夫!と思っていても、視機能という点で考えると、物を立体的に見るようなチカラなどが失われていってしまいますよ。

ちなみに加齢にともなう白内障の場合は比較的両眼が同じくらいのペースで進行しますが、「ピッタリ同じ」ではありません。片眼だけ少し進行ペースが速いということもあります。

花粉症対策は1月より始めるのがマル☆

花粉症といえば春、3月ごろをイメージされる方が多いですが、症状を重症化させないようにするには1月のこの時期から予防として治療を開始すると良いのです。

花粉症今年、2017年は昨年度に比べれば比較的スギやヒノキの花粉の飛散は少ないと船橋では予想されていますが、油断は禁物です。スギは船橋では1月下旬頃から飛散し始める傾向があります。

花粉症の症状として、目においては酷いかゆみや涙が典型的です。他にもくしゃみを連発したり、透明でサラサラした鼻水が出る、両鼻が詰まるといった症状が多いです。

症状が出る前(1~2週間前位)に治療を開始することを初期療法といいます。花粉症の症状の程度によって、使用する薬は異なりますし、使用回数や眠気が起こりやすいような副作用が出るものもありますのでよく先生と相談した上で初期療法に使用する薬を選択することが大切です。

初期療法が功を奏して、花粉症の症状が軽快した場合でも薬はそのまま花粉症のシーズンが終わるまでは続けるようにします。勝手にやめてしまうと逆効果になってしまうこともありますよ。

視力の乳幼児健診は、非常に大切です。

人間の目は、6歳ごろには大人と変わらない位の視力に発達していきます。就学時健診の際に、眼科での精密検査をと言われて受診をされても実は手遅れになってしまうケースもあるのです。

米国では子供が2歳になるまでに、乳幼児健診で視力スクリーニングを行わなければならないという決まりがあります。日本においても3歳児健診では絵カード方式などによるスクリーニングが実施されておりますが、一定の基準がなくその自治体などにより差が生じているのが現状です。

まだ小さいから視力検査は無理。という先入観を捨て、眼科を受診してみましょう。

上、右、下とか輪の切れ目を答えるような視力検査ができない乳幼児でも、視力のスクリーニング検査は可能なのです。3歳にも満たない子供でも視力のスクリーニング検査で、正常なのか異常がありそうなのかというのを簡単に調べることができます。3歳までに異常を発見して処置ができたのと、放置したのでは視力の発達への影響は歴然です。
スポットビジョンスクリーナ視力のスクリーニング検査は、子供は座った状態でカメラのような箱を見ているだけで終わります。医師が子供に触れることもありませんし、もちろん痛みなどもありません。親御さんに抱っこしてもらったままでも検査できます。気楽に受けられる検査と思ってみてください。

「見えにくい」を放置しないようにしましょう

目が悪いということを放置してしまうことはよくないことです。
例えばお子さんの場合だんだんと視力が低下していくと自分ではあまり気づかず、その見え方に慣れてしまい放置されてしまう可能性が高くなります。メガネなどで適正な視力に矯正して見えるようになると、今まで見えなかったものが見えて興味の幅も広がり、集中力も上がる可能性があります。
見えないということは学力や運動などにも悪い影響を与えてしまう恐れがあります。学校の視力検査でひっかかったら場合はそのままにせず、必ず眼科を受診するようにしてください。

もう一つ、視界がゆがんで見える、中心が見えにくい、かすむ、など突然見えにくくなったなどの症状が起きた場合は絶対に放置せず、すぐに病院に行きましょう。網膜剥離や緑内障、黄斑変性症など目の病気の可能性があるため、放置していると危険だからです。いつもと違う見え方、違和感を感じたら眼科を受診してください。

今年もあと4日になりました。年末年始お休みの方、お仕事の方、体調管理に気をつけて新しい年を迎えられるようにしたいですね。

生後6ヶ月から、視力のスクリーニング検査ができるようになりました。

本日から、「スポット ビジョンスクリーナー」による検査で、視力のスクリーニング検査が可能となりました。生後6か月から施行可能です。こんなカメラみたいな小さな機械なのですが、とっても優れものなのです。スポットビジョンスクリーナー本体

ところで、視力のスクリーニング検査がどんな検査かと申し上げますと、簡単に言えば小さなお子さんでも視力がどの程度なのかを測定することができる検査ということです。

子どもの視力は、小学校就学までには成人と同じくらいに発達するといわれていますが、それまでの発達段階で異常(近視・遠視・乱視・斜視など)が起きると、弱視になってしまうこともあります。発達段階で早期に異常が発見できれば、適切な処置をして視力を正常に発達させるように促すことができます。

視力検査と聞けば、「C」の文字みたいな図形を見て、どちらが切れ目になっているかを答えますが、乳幼児にこれを回答させるのは困難なことです。

しかし、今回導入したスポット ビジョンスクリーナーでは、カメラで撮影をするようにして測定ができます(写真左)。お子さんを抱っこしたままでも問題ありません。検査における痛みなども全くありません。また、医師や看護師がお子さんに触れたりすることもありません。いつもと違うところといえば、少し薄暗いところで撮影するくらいでしょうか。
スポットビジョンスクリーナ結果(写真右)についても、どのくらいの近視・遠視・乱視・斜視などがあるのかがひと目でわかるようになっています。

遠近両用コンタクトって、どうして遠くも近くも見えるの?!

遠近両用コンタクトを試したい!と来院される患者さんがよく疑問に思われること。

それは「遠近両用コンタクトって、どうして遠くも近くも見えるの?!」ということです。何となくですが、使用されている遠近両用のメガネについては正面を向いているときは遠く、あごを引くようにしてメガネの下部分のあたりから上手く覗くようにすると近くが見える。ということはご存知のようで、これを元に考えると遠近両用コンタクトレンズは何で見えるの!?って思うようです。

まずは見るときの目線のイメージを考えてみると、メガネとコンタクトではこんな感じの差があります。A)のメガネの見方ではB)コンタクトの見え方の説明は確かにつきません。(下の図はクーパービジョン社の患者さん説明用のパンフレットをお借りしましたっ)
遠近両用のピントB)の見方で遠近両用のコンタクトレンズが見えるということに至るには、脳との連携が必要なのです。

例えば、息子の野球の試合の応援に来ているとしましょう。フェンス越しにマウンドに立っている息子を集中して見ていると、フェンスはその場から無くなった訳ではありませんが、気にならなくなっていますよね。これは、脳がフェンスが無い方が見たい対象が見やすいと判断してフェンスの存在を視界から抑制しているのです。

脳が自然にそうしたほうが都合がよいと判断して、見たい対象を切り替えてくれるっていうことなのですから、人間の脳ってすごいですよね。

この作用を利用して、遠近両用のコンタクトレンズは存在しています。製品によって、度数の加入方法は様々ですが、遠くも近くも見えるような度数を1枚のレンズに組み込み、よりピントが合っていている対象が見えていると認識され、ピンボケしているものを抑制しています。これにより、遠近両用コンタクトは遠くも近くも見えるを実現しています。

ちなみに、あまりフェンスの存在(ピンボケしている対象)を気にしすぎると、遠近両用コンタクトの見え方に支障がでるやもしれませんよ~。

視力低下の原因?

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パソコンやスマートフォンで目が悪くなる・・と言われたことや聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?
最近では使用する方もかなり多いものですが、携帯ゲーム機やパソコン、スマートフォンなどは本当に目によくないのでしょうか?
実際、パソコンやスマートフォンを使用するだけで視力が低下してしまうわけではありません。しかし視力低下を招くおそれがあるのは事実です。
スマートフォンや携帯ゲーム機は、かなりな近距離で画面を見続けることになります。
近くのものを見続けていると目の筋肉が緊張して、遠くを見てもぼやけてしまうといった状態になってしまうことがあります。目の筋肉に過度な負担をかけ続けることになってしまい、視力の低下につながることもあります。
パソコンやスマートフォンなどを使用する場合は、適度な休憩が必要です。目を閉じて目を休ませる、できるようなら遠くのものを見ることで目の緊張をほぐすことができます。
全く使用しないというのは現実的に難しいことなので、意識的に目を休ませてあげることが大切なようです。

コンタクトレンズを作るとき、子供だけで眼科に行かせてもいいの?

お電話にてよくお問い合わせをいただく件になりますが、
「初めてコンタクトレンズを作りたいのですが、子供だけで眼科に行かせても良いかしら?」

今回のお問い合わせのケースでは、どうやら親御さんは平日は仕事で忙しいらしく付き添えないご様子。お子さんの年齢は15歳の高校生。もちろん、お子さん一人でいらしていただいて受診ができない訳ではありません。

コンタクトレンズとケースしかし、「初めて」コンタクトレンズの使用を考えているということで、できる限り一緒にいらしていただくようお願いしました。

できる限り一緒に来院していただきたいのは、初めてコンタクトレンズを使用する際にはどんな製品があって、どんな特長があって、どのように取り扱いをして、注意しなくていはいけない点など様々な説明があります。目の中に直接入れるものなので、軽い気持ちで即買いっていう訳にいきません。やはり家族の方が相談にのっていただき、一緒に理解することが必要なのです。

また、2回目以降の定期検査であれば、お子さんお一人でもスムーズに終了することが多いですが、急に近視や乱視が進んだ等と変化があったときには製品の種類を変えたりする必要があります。やはりできる限りは一緒に来院していただくことをお勧めいたします。