ドライアイと睡眠の関係

この間まで暑かったので急に寒くなってきたなと感じますが、昼と夜の寒暖差が大きい季節は体調管理に気をつけたいですね。
空気が乾燥する時期は、普段からドライアイに悩まされている方も特に大変な時期だと思います。
ドライアイには目薬をさすなど治療法がありますが、今回は一見関わりがないように見える睡眠とドライアイの関係をご紹介します。

睡眠といっても、ただ寝るだけではドライアイは改善しません。質のいい睡眠をとることでドライアイの改善につながります。
リラックス出来ていない状態のまま寝ると目の周りの筋肉が緊張したままで疲労し、その状態が続くと筋力が低下してしまいます。そうなると眠っている間にまぶたが半開きの状態になり、ドライアイの原因になってしまいます。

質のいい睡眠をとるためには、お風呂に入ったら一時間以内に寝る、寝る前にお酒やコーヒーなどを飲まない、何かを飲むのであればホットミルクなどで身体を温める、寝る前にはパソコンやスマートフォンなどの画面を見ないことなどに気をつける必要があります。

一日の終わりにリラックスし、質のいい睡眠をとって体調を整えることで、ドライアイの改善につなげていければいいですね。

カラコン買うなら眼科へ。

とある少女が眼科に来た目的が「カラコンが欲しいから」。

アイコフレワンデーUV何かおかしいでしょうか。

A子としては、ちゃんと目のことを考えて来てくれているのねという高評価なのですが、いかがでしょうか。

確かにカラコンなんて目によくないから使うものではないという考えをお持ちの医師も沢山いらっしゃいますし、保護者の方もカラコンなんて子どもには使わせないほうが良いと思っている方の方が圧倒的に多いです。(事実、カラコンなんて使っても使わなくても良いものですからね)

しかし、眼科でカラコン欲しいなんて言ったら怒られそうって思われてしまうような対応が、反ってカラコンを使用するくらいの世代の眼科受診を遠ざけてしまっているのも問題ではないでしょうか。

今はカラコンを買おうと思えばインターネットでも薬局とかでも簡単に購入できます。定期検査も受けずに、使い方の指導も受けずに、無茶な使い方をして、その結果目を真っ赤にしてしまってはこちらのほうが危険です。

眼科で処方されるカラコンであれば、医療機器承認番号なる認可を必ずとっている安全性の高いものを勧められます。また、実際の目の状態からフィットするかどうか、視力の安定性などの検査も行い、どのように使用するのか(着脱、手入れの方法、定期検査について)などもしっかりと説明されます。

カラコンが欲しいのであれば、眼科に行きましょう。

近視と日照時間の関係。

視力の良い県トップ3 鹿児島県、熊本県、岡山県

視力の悪い県トップ3 北海道、青森県、秋田県

紫外線と太陽という結果が挙げられています。突然ですが、この差って何でしょうか?

正解は「日照時間」だそうで、太陽の光を浴びている時間が多いと近視になりにくいという訳です。すでにオーストラリア国立大学の研究チームがその効果を発表しています。

それによると、【太陽光を浴びることでドーパミンが放出され、眼球が細長くなり目に入る光の焦点が合わなくなる「近視」の状態になるのを防ぐことができる】とされています。また、蛍光灯やパソコンの光では効果はないようです。

太陽光を浴びすぎるのも紫外線による網膜や水晶体への悪影響が懸念されますが、1日2~3時間、屋外で過ごす程度で近視予防の効果はあるようです。

特にお子さんの近視の進行が心配!ということであれば、積極的に外で遊ばせることが、いますぐできる近視予防対策と言えるでしょう。

眼科の定期検査は何と無痛なんだ!!と再実感

先日A子、消化器官の健診を受けに行きました。やはり体内に管を挿入するので大変な苦痛で、終わってからもグッタリ。年をとると、いろんな所にボロがでるので仕方ないことではあるのですが・・・。

健診そう考えると、眼科の定期検査というのは何と無痛な事なのでしょう!!!と、改めて実感しちゃいます。

眼圧測定では、空気がプシュッと!「おお!ビックリしたぁ」程度で痛みはありません。

眼底検査で瞳孔を広げるために使う目薬が、「おっと、しみるな~」程度。

眼底に光を当てて「まぶしい~」けれど、痛みはありません。

視野の検査でも、ちょっと集中している時間が長いくらいで「疲れちゃうな~」。

といった具合に、【痛み】のレベルは全くもってゼロに等しいものです。

しかし、ちゃんと定期検査を受けていれば失明に至るような大きな病気が早期に発見できるわけですから、素晴らしいですよね。

最近、目の定期検査を受けていなかったな~という方は、年内に1度受けてみることをお勧めします。年末に近づくにつれて混雑が予想されますので、10月から11月が待ち時間も少なくご案内できる日が多いと思われます。

コンタクトレンズが目の中で行方不明?!

朝、つけたはずのコンタクトレンズ。一日使って外そうとしたら・・・

目の充血ん?!

な、無い!!

ズレたの?!

どこにあるの~~っ?!

無いはずないのに~~!!!

って、こんな事をご経験されたことはありませんか?

眼科にいらしていただいた時にはすでに目は真っ赤。頑張って探した努力が垣間見えます。しかし、こうなる前にご自身でのレンズ捜索は打ち切りましょう。

一番怖いのはコンタクトレンズが目の中にコンタクトレンズを目視できないのに、外そうと頑張っちゃうことで目に大きな傷を作ってしまうことです。自分で朝着けたはず・・!と思っていても、

  • 右だけ着けて左目につけるのを忘れてしまっていた。(片目が見えれば、もう片方が見えていなくても気がつきにくいのです)
  • ハードレンズであれば、ふとした瞬間に片目のレンズが外れてしまっていた。
  • ソフトレンズであれば、よれてまぶたの間に入り込んでいて黒目の上にない。

などなど・・・、レンズが外そうとしている場所に目視できないのにあると思い込んで、目に傷を負ってしまうということが現実起きています。異物感があるから必ず目の中にコンタクトがあると信じても、目の傷がゴロゴロ感の原因だったりすることも少なくありません。

自分でレンズが目視できない時は無理せずに眼科の先生に取ってもらいましょう。特に夜、帰宅してからそんな事態が発覚したというときも、無理は禁物です。夜間救急に問い合わせるなり対処することが大切です。

目薬の点眼しずぎも要注意。

先生から処方された目薬、確かに点眼の回数については「1日4回」などと指示が出ています。しかし、同じ指示が出ているはずなのに異様に無くなるのが早い方がいらっしゃいます。皆さんはどのくらいで目薬1本を使い切りますか?

目薬のさし方種類にもよりますが一般的な目薬は1本5ml入りのタイプが多いので、1日4回の指示であれば半月程度、1日2回であれば1ヶ月程度で1本を使い切るのが理想的とされています。

では数日で使い切ってしまった!なんていう場合は、1回の点眼量が多すぎるということになります。目薬は1滴たらせば十分に効果を発揮します。目からこぼれるほど点眼をしても、ちゃんと目の中に入れられた分のみしか役に立っていないということです。

また、目に入りきらずにこぼれた薬液で目の周りに皮膚炎を起こすことだってあります。目薬を沢山させば早く治るという訳ではありません。必要量を守って使用することが、治癒への近道なのですね。

加齢黄斑変性症にご注意を。

年齢とともに様々な体の症状に変化が出ますが、目においては老眼や白内障の他にも「加齢黄斑変性症」に注意が呼びかけられています。

日本においてもその予備軍は推定800万人とも言われています。

「まさか自分が??!」という気持ちは誰にでもありますが、いつ、どのようにして起こるかなんで神様のみ知るということです。

目は両目ありますので、片目に加齢黄斑変性症が生じていても、もう片方に異常がなければ
なかなか自分では気がつきにくいものです。

日頃から、片目ずつの見え方を確認して、こんな見え方をしていないかどうか確認するのも良いことです。

もし、下の写真のような見え方をしているのであればすぐに眼科を受診してください。例えば、料理をしていて切りたい野菜の部分が見えにくい!(左側写真)とか、読書をしていて文字の羅列がまっすぐでなく歪んでいる(右側写真)・・・など。
黄斑変性症また、見え方に異常を感じなくても40歳を過ぎたら定期的に眼底検査を受けておけば、本当に病気がないことが証明されるので安心できますよね。
当院にも眼底を3次元で撮影できる光干渉断層計(OCT)を用意しています。

目薬を忘れずに点眼するには。

眼科医から、1日3回とか4回点眼するようにという指示で目薬をもらっても、点眼し忘れてしまうことっってないでしょうか。では、皆さんはどのようにして目薬をさすのを忘れないようにしていますか?

一般的に考えると、1日の生活の中で欠かさずにすることは食事。食事をしたら目薬もさすようにしているという方は結構多いようです。1日3回の点眼指示であれば、朝昼晩の3度の食事のときに目薬も近くに置いておくといった具合です。4回なら、この3度の食事+寝る前ということでベッドサイドにといった感じでしょうか。

また今ではスマホ用のアプリで、点眼時間をお知らせしてくれるものもあるようです。特に緑内障など、眼圧をコントロールしていくような目薬の場合、点眼のし忘れは症状の悪化を引き起こす原因になります。

一例を挙げれば、ファイザー製薬さんよりiphone/Androidアプリ「Happy eye」で点眼を忘れないようにお知らせしてくれる無料アプリが配信されています。
緑内障アプリ他にも携帯アラームとかをセットしておくのも方法の1つです。点眼のし忘れがなくなるよう、ご自身のやりやすい方法で管理してみてください。

眼精疲労と労災。

現在では、ほどんどの仕事でパソコンやスマホなどを常時使用することが当たり前となってきています。しかし、このように画面を見続けるということは目にとっては大変な負担になるのです。

眼精疲労仕事だから仕方ないというのありますが、限度を超えすぎてしまうと目の疲れ(眼精疲労)だけではなく、そこから頭痛や吐き気、肩こりなど全身に異常が出ることもあります。酷いときは日常生活にま支障をきたす事態にまでなることもあります。

ところで、社会で働く労働者には労働災害保険を受ける権利なるものがあります。簡単にいえば労災保険は、仕事中(通勤中も含む)に発生した事故や災害にあった、怪我をした場合にはその治療費が支給されるという制度です。

当院は眼科ですが、仕事中に目の中に異物が入ったとか、殴打したとかで労災扱いで受診されるケースがあります。

しかし、パソコンの画面に丸一日むかいあって仕事。忙しさから休憩もほとんどとれずに重度の眼精疲労に陥ったという場合、労災扱いになるのでしょうか。

実際問題として難しい判定になるかとは思いますが、全ての原因が仕事に起因して起きた病気ということが認定されれば「労災扱い」になるようです。個々のケースにおいて協議された上で、眼精疲労でも労災認定なされた事案も過去を調べてみるとやはりあります。

ただ、このような状態になる前に「疲れたな」と思った時点で休息ができると良いのですが。会社側も労災で揉め事になるより、労働者に少しでもよいから休憩を認めるほうがよっぽど生産性があるように思えます。皆様、ご自身の目は大切にしてくださね。

化学眼外傷

目の充血

髪を染める液体やパーマ液、洗剤などの化学物質が目に入り障害をおこすことを「化学眼外傷」といいます。
化学物質によって症状は異なりますが、失明してしまうこともある怖い病気です。

化学物質が目に入ると、目の表面、角膜や結膜に炎症がおこります。
さらに酷い場合は角膜が剥がれてしまったり、角膜全体が濁ってしまうこともあります。
特に、目に入ると危険な化学物質はアルカリ性のものです。アルカリ性の物質は目の表面だけでなく、目の内部に影響を及ぼすことがあります。

いずれも症状が軽い場合は、治療によって後遺症なく回復することができます。
しかし重症の場合は角膜が濁ったままになってしまったり、視力の低下、後に白内障や緑内障といった合併症も引き起こしてしまうこともあります。

化学物質が目に入ってしまったら、眼科を受診する前にまず、その場ですぐに水道水などで10分以上洗眼することが大切です。
化学物質が目に触れている時間が長いほど症状は重くなってしまうので、できるだけ早く洗い流すことが重要になります。目を十分に洗った後はすぐに眼科を受診するようにしてください。