昔からコンタクトレンズを使っていた患者さんの中には、「ハードレンズはソフトレンズより性能がよい」という概念がある方が多くいらっしゃると思います。この「性能がよい」と言われていた理由はどのような点があるのでしょうか?1つ代表的なものを挙げてみますと酸素透過性がソフトレンズに比べて極めて高いということがあげられるのではないでしょうか。
しかし、近年はソフトレンズの中にも、抜群の酸素透過率をもつ製品が登場するようになりました。「シリコーンハイドロゲル」という素材でできたコンタクトレンズです。ハードレンズと比べると(レンズサイズ(直径)などの差もありますので)一概にどちらが良いと断言はできませんが、従来のソフトコンタクトに比べれば平均5~6倍くらいは酸素透過率が高い製品です。
発売初期の製品では、たんぱく質は付きにくいが目の中の脂質や化粧品などの油分がコンタクトに付着しコンタクトをつけると曇って見えるという症状を訴える患者さんがいらっしゃいましたが、今ではこの点を改良するために表面処理加工などを施した製品が次々と開発されています。
従来のソフトコンタクトレンズに比べて酸素を良く通し、乾きにくいコンタクトレンズという位置づけになっていますの。毎日、長時間コンタクトレンズを着けている方は検討してみるのも良いと思います。