TPPで、医療保険制度にも変化が?!

自民党への政権交代で、安倍総理がすすめてきたTPPへの参加。これはよくニュースで輸出入の産業へのメリットやデメリットが報道されていますが、実は医療制度についても大きな影響があるとされています。

医療の分野で大きな変化がでるといえば「混合診療」の参入です。

現在、日本の医療保険制度は「国民皆保険制度」とよばれ、日本国民であれば、必ず健康保険に加入しなければならない義務があります。その中で、病院でA検査やB手術を受けたら費用は何円かかるという医療費にかかる料金が国によって細かく決められています。そのため、どの病院で治療してもその検査、診察の料金は基本は一緒です。(医療機関ごとの加算料金については別として)まとめると、 日本国民であれば、病気になったとき等しい医療を受けられるということです。

一方、自由診療という国によって決められた治療行為でないものもあります。いわゆる最先端医療であったり、美容目的の整形等がこれにあたります。

例えばA子がある病気にかかり、治療を受ける際
(1)国で決められた治療内容と費用(健康保険の対象)
(2)健康保険はきかず費用は高いが、(1)よりはるかに優れた最先端の治療(健康保険の対象外)

があったとします。

(1)と(2)の治療を1つの病気の対して、同時に治療を受けることを「混合診療」と言い、現在の日本では禁止されています。通常では、日本国民であれば必然的に(1)の治療を受けることになりますが、TPPの自由化により、この(2)の治療が海外からどんどん参入してくることになったらどうしょうか。簡単にいえば、「お金を出せば最先端の治療を受けられる」ということになります。ここでもまた、格差が生じてくることになりそうです。

海外では国が行う日本のような皆保険制度はなく、民間の保険会社などが運営する医療保険がある程度。 お金がなければ、病気になっても治療は受けられません。(日本の国民皆保険制度って、結構海外から褒められているのです)

お金を出すから、(2)の治療を選択したい。でもそうしたら国民皆保険制度で支払っている健康保険料って何なのでしょう?と国民として思いますよね。具体的に、国民皆保険制度が今後どのように対応していくのか課題が残るといったところでしょうか。