白内障は、生まれ持った「水晶体」が老化によって白く濁り、物を見えにくくする病気です。根本的に治療するには、目の中にある水晶体そのものを人工レンズに入れ替えるという手術をします。人工レンズに取り替えてしまうのですから、老化でさらに白内障が進むとは考えにくいので「白内障手術は、一生に一度だけ受ければ大丈夫ですか?」というよく質問を受けます。
基本的には「一度限り」のケースが多いため、その通りだと申し上げたいところなのですが、残念ながら100%と断言はできません。白内障の手術を受けた後に人工の眼内レンズを包む「後嚢(こうのう)」という部分が濁り、視力が再度低下してくることがあります。これを「後発白内障(こうはつはくないしょう)」と呼びます。
白内障手術後の合併症として挙げられますが、この後発白内障にかかっても再度5分程度のレーザーを当てる事により完治させることができますのでご心配は無用です。また、目の中に入れる人工レンズ(眼内レンズ)をアクリル製のものにすると、この後発白内障の発生が極めて少ないと言われます。手術前に主治医の先生とよく相談してみると良いでしょう。