遠視の方は、緑内障になりやすい?!

「近視(きんし)」という言葉はよく耳にしますが、「遠視(えんし)」という目の屈折異常もあります。文字を比べれば何となく予想はつきますが、厳密に言うと遠視はピントが遠近ともに合っていないという状態です。特に手元の小さな文字などが見えにくくなります。
(※屈折異常については、こちらのページをご覧ください)

そもそも遠視になる原因というのは、ほとんどの場合が生まれつき目が小さいという点にあります。目が小さければそれに付随する各器官も小さくなります。

眼球断面図そして角膜と水晶体の間は、房水とよばれる水で満たされています。房水は生成と排出が絶えず繰り替えされます。遠視の方の場合、房水が通るための管も小さく細いので詰まりやすくなってしまうのです。そのため、房水が一定量に上手く保てず目を圧迫します。この圧迫がよく言う「眼圧」の値で示されます。眼圧が上昇すれば、視神経が圧迫されるため緑内障が発症するということです。

この房水が通る管のことを隅角(ぐうかく)と言います。これが詰まることによって起きる緑内障なので「閉塞隅角緑内障(へいそくぐうかくりょくないしょう)」に遠視の方はかかりやすいのです。

緑内障は失明率の大変高い病気です。早期発見が何より大切ですので、特に「遠視」である方は定期的な眼科受診を心がけるようにしましょう。