マルチフォーカルとバイフォーカル。どちらの遠近両用が良い?

遠近両用コンタクトレンズには、その名称に「1day○○○マルチフォーカル」とか、「2week○○○バイフォーカル」ってネーミングの製品が多いと思います。どちらも遠近両用コンタクトレンズには変わりないのですが、レンズに入っている度数の分布具合に大きな差があります。そのため、物の見え方にずいぶんと違いが出ます。

マルチフォーカル上の図は、プレミオ遠近両用のマルチフォーカルデザインの度数分布図になります。マルチフォーカルとネーミングが付いているものは、緩やかに遠く~近くを見る度数に変移していくつくりで、焦点が多数あるといった構造になっています。視線を遠くから近く(逆も)へ動かしたときにスムーズに視界が切り替わります。また、遠とも近ともとれないくらいのいわゆる中間距離を見せるのが得意なのです。

しかし、どちらか一点となると話は別です。長時間の細かい手作業などをする際に使うと考えると非常に満足感に欠けると言われます。そのため遠くも近くも、まぁまぁ・・な見え方と思われる患者さんは多いです。日常生活に必要ないわゆる生活視力(0.7~0.8くらい、手元は新聞が読めるくらい)が確保できるという点に重点が当てられています。

対してバイフォーカルのレンズは遠くと近くの2点、焦点があるようなつくりになっています。そのため、遠くなら遠く、近くなら近くという1点を見た時ではマルチフォーカルタイプに比べて見え方の満足感は高いとされています。下の図がプレミオ遠近両用を例にしたバイフォーカルタイプのつくりです。
バイフォーカルしかし、遠く~近く(逆も)といった視線を変えたときや中間程度の距離が非常に見えにくいと感じられます。ですので、一点を見ることの多い事務作業などをされる場合にはこちらを選択するほうが楽になることが多いです。車の運転は慣れれば問題ないとは言われますが、最近ではカーナビの画面を一瞬見て、すぐに前方を見ることが多いので注意が必要です。