レーザー治療では炎症を悪化させてしまう恐れがある「肝斑(かんぱん)」。肝斑の見分け方としては、左右対象に”しみ”ができるという特徴があります。
肝斑の治療を目的とした場合、アミノ酸の仲間で「トラネキサム酸(トランサミン)」という飲み薬が使用されます。1979年に肝斑への改善効果が報告されてから、治療薬としてその名を馳せています。もともとトラネキサム酸には、メラニンの生成を抑制する、炎症を抑えるといった効果があります。
シミは紫外線を浴びると肌を守るために「メラニン」という物質を作ろうとします。トラネキサム酸は、このメラニンの生成を抑制することはもちろん、シミを発生させるプロスタグランジンという物質もブロックします。
肝斑が発症する原因の一つにメラニンを生成するメラノサイトの活性化があります。中でも肝斑に影響するといわれるのが、プラスミンというたんぱく質分解酵素といわれています。トラネキサム酸は抗プラスミン作用を持ち、メラノサイトでメラニンが作られる前に、メラノサイトの活性化を抑制して、肝斑の発症を抑えると言われています。肌の表面に出てくる前に対処していくということになります。
安全な薬ではありますが、副作用が全くないわけではありません。食欲不振や吐き気などが起こることもありますが、極めて稀で投与をやめればすぐに落ち着きます。また、長期的な使用をすると、血栓ができるリスクが高まりますので納豆キナーゼなど血液をサラサラにする効果をもつサプリや食品を積極的に摂取するよう心掛けることも大切です。