ヘルペス性角膜炎という病気があります。
ヘルペスウィルスに感染することによって起こり、原因のウィルスには【単純ヘルペス】と【帯状ヘルペス】の2種類があります。感染は乳幼児期が多く、感染してもすぐには発症せずにウィルスは体内に潜伏します。
三叉神経とよばれる神経に潜伏していたウィルスが、風邪をひいたり疲れているような時、いわゆる免疫力の低下した時に活動を起こします。周囲の組織から角膜にまでウィルスが活性化して発症します。目の充血、痛み、ゴロゴロ感、まぶたの腫れなどの症状が起きます。上記の写真のようにウィルスが増殖すると潰瘍ができます。発症率そのものはあまり高いものではありませんが、重度の場合は失明にまで至る病気です。
もし、ヘルペス性角膜炎が発症してしまったら、軟膏や目薬など抗ヘルペスウィルス薬などで治療をしていくことになります。発症中は免疫力が低下しやすく他の感染症にもかかりやすくなるため注意が必要です。
アシクロビル眼軟膏という非常に効果の高い治療薬が開発されてからは、失明する確率がグッと減少傾向にはなりましたがヘルペス性角膜炎は再発しやすい病気です。一度は完治の診断を受けても、免疫力が低下すると再発する可能性が高いのです。再発を繰り返すことで、角膜に濁りが残って視力が低下したり角膜に穴があいてしまうこともあります。
生活習慣を見直して、免疫力が落ちないように気をつけることはもちろん、何か目の異常を感じた場合はすぐに眼科を受診するようにしましょう。