コンタクトレンズは常温保存で大丈夫です。

コンタクトレンズの保管ですが、自宅のどこで保管されているでしょうか?装着する場所の近くが便利なので、洗面所や化粧台の前などが一般的ではないかな?という予測ですが、冷蔵庫に入れているというお話をよく耳にすることがあります。

しかし、どの製品の説明書を見ても、言い回しは違えど「高温多湿を避け直射日光の当たらない、常温で保管してください」というような文面が記載されています。

ここで注意したいのが「どこで」という明確な場所が指定されていないので、勘違いされる方が出てきてしまいます。【直射日光の当たらない暗くて涼しい場所】というイメージがわき、冷蔵庫へ・・ということでしょうか。

冷蔵庫に入れておけば、野菜やナマモノも安全!と思いきや、コンタクトレンズはこれら食品とは別物です。冷蔵庫にいれると、コンタクトレンズの内部素材が凍結する恐れがあります。レンズ自体の劣化につながり、快適な視力矯正および目に異常をきたす原因にもなります。
冷蔵庫以外にも、洋服ダンスの中、その他不衛生な場所、高温多湿になるところは避けるようにしましょう。

コンタクトレンズが目から落ちない理由。

コンタクトレンズを初めて使用される患者さんからよく質問を受けるのですが、「何故、目からコンタクトレンズは落ちないのか?」ということです。

目にピタっとくっついて、簡単には落ちません。それは、涙の表面張力によってコンタクトレンズが引き寄せられているからです。液体には表面張力といって、分子同士がなるべく表面積を小さくするように力が働いています。

例えば、コップに水を入れるとコップより少し多めに水を入れてもこぼれずに、盛り上がる感じになりますよね。まさにこの状態のことです。
表面張力
液体の種類などによって、表面張力は異なりますがコンタクトレンズくらいの物なら、涙の表面張力でくっついていられるようです。

 

ただし、目線の急激な移動にはご注意を。特にハードコンタクトレンズは外れてしまう可能性が高いです。

コンタクトレンズがツルツルすべって取れない時の対処法。

コンタクトレンズを外すソフトコンタクトレンズを外そうとしたのに、

”すべってうまく外せない”
という場合があります。そのような場合に外れない原因としては以下のようなことが考えられます。


★レンズをつまむ指がぬれている

★爪を立てている

★挟む位置が狭い(時計の5-7時)

★レンズを下方へ引き下げずにダイレクトにつまんでいる

★レンズをつまむときに引っ張っている

 

対処方法は次のとおりです。
↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓

★レンズをつまむ指を乾かしている

★指の腹でつまんでいる

★挟む位置が適切(時計の4-8時)

★レンズを引き下げて、白眼のあたりでつまんでいる

★つまむとき白眼の部分に指を押し当てるようにしている

といった具合に、取り外す時に注意をしてみてください。外しにくかったレンズがスッと外せると思いますよ!

また、眼科内で練習されていく方の多くで、なかなか外せない!という方は、爪を立てるようにしてレンズに触れようとしている傾向が見受けらます。爪を立ててしまうと、目の表面に傷をつける危険もありますので、気を付けてください。

左右に違うコンタクトレンズを入れるのはアリ?ナシ?

コンタクトレンズ目は二つある対称器官ですが、全く同じではありません。左右の近視の度合いが違ったり、目の大きさが違ったりと様々です。そこで、こんな質問を受けることがあります。

「左右で違うコンタクトレンズを着けても良いの?」ということです。

 

そして回答としては「目に合うものでしたら、特に禁止する理由は見当たりません。」といったところでしょうか。

例えばどうも最近、使用しているコンタクトレンズが見えにくくなったと訴えた患者さん。どうやら原因が乱視のようです。それも片目だけ、乱視の度数で矯正しないと見えません、といった場合は片目だけ乱視用、もう片方は乱視用ではないものを使用することになります。これはもう仕方のないことなので、諦めてくださいとしか言えません。

他にも左右わかりにくいから、違うパッケージのものを使用されるという方もいらっしゃいます。

ただし、ここで注意していただきたいのは使用感に”差”が出るということです。右のレンズは問題ないけど、左だけ目が乾く症状が強いとか、他にもちょっと片目だけレンズの存在感が気になるとかですね。

基本的には左右の同じレンズを入れたほうが様々な面においてバランスが取れて違和感が少ないはずですから、処方上の理由が無い限りは同じレンズを使うほうが賢明のように思われます。

お化粧とコンタクトレンズ。

コンタクトレンズの素材は、近年シリコーンハイドロゲルという
『酸素をよく通す!!』という素材になりました。

このシリコーンハイドロゲルという素材は、
親水性ではなく、【親油性】をもつ素材で
その名のとおり油分を吸着する性質があります。

コンタクトレンズは、自分の手で触って取り外しをします。
そのため、お化粧品やハンドクリーム、目脂などが付着しやすい汚れとして挙げられます。
シリコーンハイドロゲル素材の登場により
とにかく、油分の汚れが付かないように気をつける必要性が高まりました。
(その反面、たんぱく質の汚れには耐性があります!)

そして何といっても、女性のお化粧品。
これは、自然に目に入ってしまったりする場合もありますので
対処がなかなか難しいものです。
ラメ入りのアイシャドウなどは特に注意が必要です。
化粧品

 

 

 

 

そして、お化粧とコンタクトレンズでは、まず石鹸での手洗い後、
先にコンタクトレンズを着けて
よく見える状態でお化粧をしてください。
その方が化粧しあがりもバッチリです☆

そして外すときも、コンタクトレンズを先に外します。
外さずにメイク落としなどのクレンジング剤などが目に入ると、
レンズの変形や表面が曇って見えにくくなる原因になります。
もし、付着してしまったら迷わずに捨てて新しい物に交換してください。

汚れたまま使用すると、炎症を起こす原因にもなりますので、気をつけましょう!

取り外しの練習は何度でも、お付き合いします。

初めてコンタクトレンズを使用する際、眼科内で自分で着けたり外したりする練習をします。

この練習なのですが、本当に個人差が大きく
ほんの数分でできる方と、少し時間がかかる方がいらっしゃいます。

時間がかかる・・・。具体的にどのくらいかというのも難しいですが
1時間くらいの方もいらっしゃれば、
さらに別の日にいらしていただいて、再練習という方もいらっしゃいます。
しかし、視力の矯正で必要であれば、
最初はなかなかできなくても諦めずに、ぜひ練習してみてください。

コンタクトレンズ

 

 

 

 

一回コツを覚えていただければ、簡単にできるようになると思います。

練習は、何度でもお付き合いしますので
恥ずかしがらずにいらしてくださいね!

何日かかっても、気にすることはありません。
だんだん慣れてくると、目に近づいてくる指の恐怖感なども自然に克服されるはずです。

間違った使い方をしなければ、便利に使えるものですので
活用してみてください。

コンタクトレンズ、交換期限は守っていますか?

コンタクトレンズを使用している患者さん。

くもる、目がかゆい、乾く、といったような症状を訴えて来院。

使用しているのは、2週間の定期交換タイプで

交換周期や手入れについてお尋ねすると、
『しっかり守ってやっています』
とお返事をいただきました。

しかし、実際に診察を受けていただと・・・

先生の診察時に、目に光を当てて黒目の表面を確認する検査等があると思いますが、
この検査で目のキズやレンズの汚れ具合などが分かります。

そして、交換期限をオーバーしている場合
コンタクトレンズの変形による目の食い込みのような傷が発見されることもしばしば。

レンズも長期使うと劣化し、従来の酸素透過率を保持できなくなり
酸欠による目の充血も起こります。潤い効果なども期待できるレベルからは遠のきます。

また汚れによって阻害されていた視界は、真新しいレンズにつけかえると明るく綺麗に見えるように改善。

肉眼ではわかりにくいようなものも、拡大顕微鏡で見たり
独特のキズや凹みの所見があるとどうしても
『しっかり守ってます』
の言葉が残念ながら、覆されてしまいます・・・。

結構、これ簡単にバレますので
期限の超過使用してしまったな・・・とか
思い当たるようでしたら、是非今日からでも良いので、
使用方法を見直してみてくださいね!

左右、同じ度数であれば便利ではありますが。

コンタクトレンズを使用する患者さんによく言われることがあります。どのようなことかといえば 「コンタクトレンズは、左右同じ度数にしてください。」ということなのです。

左右同じ度数でつけても、全く問題ない方もいらっしゃいます。しかし、どちらかが先に近視が進んだり乱視の症状が見受けられたときは、それぞれの目にあった処方がなされるのが基本です。

一方、使用しているご本人様からすると「いちいち着けるときに確認するのが面倒」「ケアしたときどっちに保存ケースに入れたか間違えたかも」など、日常での使用時にちょっと使い勝手が悪いというお声があがっているのは確かです。そのため左右全く同じコンタクトレンズなら、こんな手間がなくなるとのこと。仰ることも確かに一理あるのですが、人間の目は2つ存在するのです。

同じように見えますが、体内では実は別器官として認識されているので、近視や遠視の度数とかも違ったりしますし、右目だけアレルギーが症状がひどかったりといったケースもあります。仮に同じ度数のレンズをつけて、右目の視力が1.0、左が0.5。両眼で見れば生活できないわけではありませんが、非常にアンバランスで見え方の質が低下します。

目の疲れや眼位のズレ、視野が狭まる、距離感の誤差など、気づかないうちに異常が生じていきます。多少の見え方の差は仕方のない部分もありますが、差がありすぎるのは考えものです。

乱視用ワンデータイプの処方が増えました。

シード社から乱視用ワンデータイプが新たに発売になり、
さくら眼科でもこのレンズの処方がいち早く可能になりました

今まであった近視用レンズ「1dayPureうるおいプラス」の乱視用となりますので、柔らかい付け心地のレンズで、長時間うるおいが続きます。

レンズのベースカーブは8.8と近視用と同じなので乱視用のなかでは一番ゆるやかとなります。また、レンズ周辺部の厚みは度数ごとに調整して薄く整えられ、エッジに浮き上がりを持たせているので、快適な装用感を得られるように設計されています。

発売されたばかりなので、お試しされた方はまだほんの数人ですが、皆さま装用感がとても良いとのことでした。

また、視力矯正力に優れたレンズでもあります。フロントトーリック採用レンズの為、レンズの前面に乱視度数、後面に近視度数となり、角膜形状の影響を受けにくく、安定した乱視矯正効果を得られるのです。

他の乱視用レンズで、フッティングは問題ないのに何故か視力が出ないという方など、試してみる価値はあるかと思います。

その他にも、これからの季節に嬉しいUVカット付きです。紫外線を気にされる方にお勧めです。

今ご使用のレンズが乾燥する方、装用感がいまいちだが乱視用なので仕方がないと諦めていた方などは、ぜひ一度お試し下さいませ。

乱視用レンズは目とのフィット状態が重要です。その為、ご希望に添えない可能性もありますが、実際に付けてみなないことには分かりませんので、お気軽にご相談下さい。

使い捨てコンタクトレンズを、たま~に使う方へ。

コンタクトレンズを初めて使うことになったとき、
先生から色々な諸注意事項も一緒にお聞きになられたと思います。

レンズを着けたり外したり、洗浄したりと
必要不可欠なことについては慣れるうちに習得されていくかと思いますが、

【コンタクトレンズを着けている時間】

について、詳しく覚えている方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?

 

初コンタクトとなり、初日の装用時間は6時間程度。
2日目は8時間程度・・3日目は10時間程度などというように
すこしずつコンタクトを目に慣らせていく・・・ということをした記憶が
きっとあるとはずと思います。

毎日、必ず使う!という方には終日使用しても問題ないのですが、
メガネなどとの併用で、たま~にコンタクトレンズにするという方。
着けている時間に要注意です。

たまにしかコンタクトレンズを使用しない方は
取扱い説明書をよーーーく、見てください。

コンタクトレンズを中断した場合の再開方法について
しっかりと書かれているのです。

基本は
●1週間未満なら8~10時間程度
●1週間以上~1ヶ月程度、6~8時間程度
●それ以上は再検査の上、6時間未満よりスタート

といった具合に記載があるはずです。
(最近ではレンズの性能差が最近では大きく出てきたので
一概には言えない部分もありますが;)

ですので、コンタクトレンズを週末だけとか1ヶ月に数回程度の使用頻度の方は
極めて短い時間帯でコンタクトレンズを使用する!と
是非、覚えてください。

急にコンタクトレンズが目にかぶさると
まずは角膜の酸素供給不足が懸念されます。
目が充血したり、眼痛などが起こる原因にもなります。

目に大きな負担をかけすぎないよう、上手に使っていくようにしましょう!