加齢黄斑変性症にご注意を。

年齢とともに様々な体の症状に変化が出ますが、目においては老眼や白内障の他にも「加齢黄斑変性症」に注意が呼びかけられています。

日本においてもその予備軍は推定800万人とも言われています。

「まさか自分が??!」という気持ちは誰にでもありますが、いつ、どのようにして起こるかなんで神様のみ知るということです。

目は両目ありますので、片目に加齢黄斑変性症が生じていても、もう片方に異常がなければ
なかなか自分では気がつきにくいものです。

日頃から、片目ずつの見え方を確認して、こんな見え方をしていないかどうか確認するのも良いことです。

もし、下の写真のような見え方をしているのであればすぐに眼科を受診してください。例えば、料理をしていて切りたい野菜の部分が見えにくい!(左側写真)とか、読書をしていて文字の羅列がまっすぐでなく歪んでいる(右側写真)・・・など。
黄斑変性症また、見え方に異常を感じなくても40歳を過ぎたら定期的に眼底検査を受けておけば、本当に病気がないことが証明されるので安心できますよね。
当院にも眼底を3次元で撮影できる光干渉断層計(OCT)を用意しています。

日本でも年々増加する加齢黄斑変性症

加齢黄斑変性症(かれいおうはんへんせいしょう)という病気があります。年齢を重ねてくると、老廃物が網膜色素上皮の下に溜まっていきます。これが原因となり、物を見るために重要な「黄斑部」に異常が生じてきます。これが加齢黄斑変性症です。黄斑部分に異常が生じると視界の真ん中あたり、一番見たい部分が歪んだり見えないという大変困った事態が起こります。

欧米では成人の失明原因の第1位であり大変認知度の高い病気ですが、日本ではまだまだ馴染みの少ない病気と思われがちです。10数年前では日本では失明の原因の4位とされていました。日本人の体質上、患者数は欧米に比べれば少ないとされてきましたが、食生活の変化や高齢化が進むにつれて著しく増加してきている傾向にあります。また、認知度がまだ日本では低いため、注意喚起が行き届いていないのも確かです。

正常眼底と黄斑変性上の写真は、正常な眼底と加齢黄斑変性症により出血をしていまっている眼底の写真です。加齢黄斑変性症には2タイプあり、早急な治療が必要となるのは「滲出型」です。放置してしまうと、眼底の出血を繰り返し失明に至る危険があります。新生血管の拡大を抑えて視力を維持させることが大切です。進行スピードが速いため、発見されたらすぐに処置をしていくことが求められます

対して、「萎縮型」の場合は進行スピードはゆっくりですが、効果的な治療方法は確立されていません。滲出型に転向しないかを定期的に検査して視力を確保していく必要があります。