数か月でも近視は進行します。

昨年末にお子さんのメガネを新しくしたばかりなのに、もう度が進んで合わなくなってしまった。このような残念なご経験をお持ちの方も多いと思います。

メガネの子成長とともに近視は進行するケースが多く、ほんの数か月で一気に度が変わるということも実は珍しいことではありません。

しかし、進行してしまった近視をなかったことにすることはできません。その都度目に合うメガネを調整する必要があります。

すぐに度が合わなくなってしまったメガネを、作ったばっかりで勿体無いからと無理に掛けているほうが問題です。見えづらく不便ですし、さらに近視や乱視を進行させる原因にもなると言われています。学校生活でも黒板が見えにくい、運動するにもゴールなどの目標物が見えにくいので、お子さんが授業をつまらなく感じてしまうこともあります。

大抵のメガネ屋さんでは新規の購入時に交換保証がついてくると思いますので、視力の変化がでやすい時期はなるべく保証期間の長いところで購入することも考えておくと良いでしょう。

うちの子だけ、どうしてメガネをずっと掛けさせるの?

学校健診で視力でひっかかった3人のお子さん達。お母様たち同士の仲も良いのか一緒に来院されることもよくあります。

子供そして仲良く?!3人のお子さんは「メガネ」による矯正の指示を先生から受けたのですが、メガネは掛けっぱなしがよいのかという質問がありました。

A君は、「黒板が見えにくいときに、メガネを掛ければ大丈夫ですよ」

B君は、「できる限り、メガネは掛けた方がいいですね」

C君は、「寝るときやお風呂に入る以外は、メガネは掛け続けてください」

という指示が出ました。

C君ママは「どうしてうちの子だけ、メガネをずっと掛けっぱなしにしないといけないのかしら?」とやはり疑問に思われたようです。

同じように学校からプリントをもらってメガネを作る指示が出たのですが、3人とも指示が違います。これは、「近視などの屈折異常の度合い」が大きく違うため3人とも違う指示になっているのです。

A君はいわば「軽度の近視」。しかし、後ろの席から黒板を見るには難しい程度の度合いなのでです。

B君はA君よりも「やや強い近視」でした。黒板は勿論、教科書とかを読むにもメガネを掛けた方が見やすいので、できる限りはメガネを掛けましょうという訳です。

そしてC君は、近視ではなく「遠視」の傾向がありました。遠視は遠くも近くも実は焦点が合っていない状態なのです。学生くらいの年齢ではピントを合わせる力が強いため、あまり不便に感じないというケースもあります。しかし、「掛け続けるようにしてください」という理由は、ピント調節力を働かせなくても物が見える状態を常につくっておきたいからなのです。

このように、度合いが違えばメガネの活用方法にも差が出てきますので、先生からもらう【個別指示】をちゃんと守ることが大切です。忘れちゃったから、他の子に聞いて終わり!では、適応にならないこともあるのです。

学校健診のプリント記入、当院では無料です。

お子さんの学校健診のプリント、視力検査の結果がA~D判定までで記入されています。B判定以下の方は、眼科での再検査を受けて結果を学校に提出することになっています。

眼科健診眼科での再検査の結果は眼科側が記入しも、保護者様が記入しても良いそうですが専門的な眼科用語などが並んでいるプリントもあるようで、結構お電話にてどのように書けばよいかを問い合わせいただきます。

「持ってきていただければ、無料で記入していますよ」と、一言お声掛したとき、プリントを持参されなかった理由は別の眼科を受診したときに記入をお願いしたら、「文書料金」をとられてしまった事があるとの返答が!

確かに文書料といえば文書料かもしれませんが、船橋市ではお子さんの通院費の自己負担金も子ども医療券で300円。それ以上に文書料の方が高値だったというお話を伺ったときにはちょっと驚きました。そういったご経験があると、お医者さんで何か記入してもらったらお金がかかると思ってしまいますよね・・。

当院では学校プリントに記入に関しての文書料なるものは無料ですぐにお書きしていますので、遠慮なさらずにご提示ください。

春に多い心因性視力障害

桜今日から4月です。新しい職場や学校、クラス替えなどで環境が今までと大きく変わる方も多いのではないでしょうか。環境が変わると、自分自身でも気が付かないうちにストレスを溜め込んだりしてしまうことがあります。

子供の場合、親子関係・学校の人間関係などが心因性視力障害を起こす原因として考えられています。また、メガネなどを掛けたいという強い願望から視力不良に陥るということもあります。原因となっている事態を取り除くことができれば、視力は自然と回復します。

心因性なのか病的異常が影響しているのか、判断はやはり慎重に行われます。春の健康診断で視力異常の疑いが出るようでしたら、早めに眼科を受診なさってください。

ちなみにこれは子供にかぎった事ではありません。大人でも起こることです。ドイツのジャーマンウイングス機の墜落事故が連日のように報道されていますが、この当事者である副操縦士も視力の悪化を訴えていたと報じられています。眼科を受診し、医師からは過度の仕事のストレスによる「心因性視力障害」と言われていたようです。適度な息抜きは必要なのですね・・。

視力は6歳でほぼ出来あがります。

子供視力3月になりました。卒業や入学、新学期への準備と忙しい季節です。そんな新しい環境が来月から待っているお子さんの目についてはいかがでしょうか。きちんと物が見えていないと、集中力を欠いてしまったり、学校の授業についていけないなんてことにもなりかねません。春休みなどを利用して、視力チェックを是非してみてください。

ところで、人間の視力はほぼ6歳で大人と変わらないくらいまでに発達するといわれています。

見え方としては、
生まれて1ヶ月くらいでは光がわかるというくらい

生後2ヶ月程度で目の前に動く物がとらえられる

生後4ヶ月程度で、視力0.02くらい

生後6ヶ月程度で、視力0.06くらい

1歳の誕生日のころで、視力0.2くらい

2歳の誕生日のころで、視力0.5くらい

満6歳になるころ、視力1.0くらいが見えるようになり、大人と変わらない位の視力に発達。また、9歳くらいまでにかけて、物を立体的に捉えられるような視機能が発達していきます。この時期にちょうど目の成長を妨げる”何か”が起こると、視力も発達せずに弱視状態となってしまいます。(※弱視とはメガネなどで視力を矯正しても、0.2程度までしか視力が出ない状態です)

見えていない状態に早く気が付けば、視力が回復する確率は高くなります。3歳児検診や就学時検診をうまく活用して、視機能がきちんと発達できるように見守ってあげてください。異常を感じたら、すぐに眼科を受診してくださいね!

人は何歳から生活に必要な視力が得られるのでしょう?

本日は嬉しいご報告があります。今年の3月まで受付けで働いていたスタッフが、昨日無事に男の子を出産いたしました。定期的に来院されている患者様の中には、気にかけてくださっていた方もいらっしゃったので、この場でご報告させていただきます。

ところで、赤ちゃんは生まれた時には、あまり目は見えていないのですが、どの程度まで見えるのでしょうか?あまり詳しく考えたことはなかったのですが、気になったので調べてみました。

生まれたばかりの赤ちゃんの目は機能的にはまだまだ未熟で、明暗が判別できるくらいなので、ほとんど見えていないらしいです。ここまで見えていないとは驚きました。

生後1ヶ月位ではまだ目の前で何かが動いたとわかる程度、3ヶ月位で0.02~0.03位で、やっと目の前のものがぼんやりと認識できるようになり、眼前の親の表情がわかるようになってきます。物を認識してその動きを目で追うようにもなります。

1歳でやっと0.2前後見えるようになり、成長とともに目の機能もどんどん発達していき、3歳半を過ぎると0.7~1.0まで見えるようになり、やっと生活に必要な視力となります。

もちろん、体の成長と同じく個人差がかなりあります。実際1.0まで見えるようになっているのは、4歳で71%、5歳で83%となり、遅くとも小学校入学までにはほとんどの子供が1.0見えるようになるそうです。

病気でないのに、目が見えないという小学生

学校健診で「D判定」だったら? 子どもの視力低下と心因性視力障害の話


学校の視力検査の結果を見て驚くことはありませんか。「D判定って何?」と慌てる親御さんは多いです。まずは落ち着いて、結果の意味と次に取るべき行動を確認しましょう。

まず確認したいこと:単純な近視の進行かどうか

多くの場合、D判定は単純に近視が進んだ結果です。メガネの度数を合わせ直せば視力が矯正できます。まずは眼科で検査を受け、適切な矯正視力(メガネをかけたときの視力)を確認しましょう。

矯正しても視力が出ない場合は要注意

もしメガネやコンタクトで矯正しても十分に視力が出ないときは、さまざまな要因を含めて詳しく調べる必要があります。

心因性視力障害とは?

今回は心因性についてとりあげてみます。「心因性視力障害」とは、心理的な影響で視力低下が生じる状態を指します。脳や目の明らかな器質的異常が見つからないのに、急に視力が落ちることがあります。原因は完全には解明されていませんが、子どものストレスや心理的な要因が関与していると考えられています。

心因性視力障害に見られる特徴

  • 急に学校検診でD判定になった
  • 視力低下は両眼に起こりやすい(0.3以下になることが多い)
  • 視力検査で「全く見えない」と同じ答えばかり返す
  • メガネをかけても矯正視力が出ない
  • 小学3〜5年生の女児に多く見られる傾向がある
  • 視野狭窄や色覚の訴えを伴うことがある

診断の流れと眼科で行うこと

  • まずは眼科で精密検査(詳しい屈折検査、矯正視力測定、眼底検査など)を行います。
  • 眼の機能的な問題(網膜や視神経の病気)がないかを確認します。
  • 器質的な大きな異常がない場合は、経過観察や心理的側面の評価を検討します。

ご家族ができること(対処法)

  • まずは否定せず、子どもの訴えに寄り添ってください。
  • 学校や家庭でのストレス要因を探し、可能な範囲で軽減しましょう。
  • 治療は時間がかかることがあります。焦らず、定期的に受診してください。
  • 必要に応じて小児科や心理相談(スクールカウンセラー等)相談する事も選択肢の1つです。

いつ受診すべき?

学校検診でD判定が出たら、まず眼科で検査を受けてください。視力が急激に落ちている、痛みや見え方の変化がある場合は早めの受診をおすすめします。

最後に

学校健診でD判定だったからといって、すぐに深刻な問題があるとは限りません。しかし、矯正しても視力が出ない場合は必ず専門医に相談してください。原因の確認と、ご家庭での対応が大切です。当院でも丁寧に検査・相談を行っています。気になることがあればお気軽にご相談ください。