都市伝説といわれることがあります。その中に、「メガネを掛けると近視が進行する」というのも聞くところによると含まれているそうですね。
結論から言いますと、これはやはり迷信です。大抵の場合、次のような思い込みと経緯があるのです。
「メガネを掛けないと生活が困難になってきた」 → 「メガネを掛けた」 → 「さらに度が進んでしまった」 → 「見えないのでメガネの度を上げた」 → 「さらに度が進んでしまった」・・・。
という具合に、メガネを掛けた事と近視の進行が進んでいるのが同時期に起きているため、近視が進んだのが「メガネの責任」に転嫁されてしまっているのではないでしょうか。
この場合、順番が逆なのです。近視が進んだ → メガネを掛けた → さらに度が進んでしまった → 再度メガネの度を調整した。という事であり、先にメガネを掛けた訳ではありません。メガネを掛けなくても近視は進みます。(ただし、度の合っていないメガネを使用していれば近視の進行に気が付きにくいのは確かです)
現実問題として、近視が進行している時期につい数ヶ月前に作ったメガネの度がもう合わないとうことが、学校の友達同士とか身近な人間の間で起きている話が何件かあったら「メガネを掛けたら、近視が進むのよ!」という考えに至ってしまうのかもしれません。A君もメガネを掛けた頃から近視が進行、B君も、C君も?!えっ?!という具合でしょうか。
ところで、近視がどんどん進行して強度になるような場合、原因がメガネを掛けたということでなければ何が大きな原因なのでしょうか。
大きな要因の1つとしては「近視の遺伝子」が挙げられています。日本でも数年前、京都大学が「強度近視の発症に関わる遺伝子変異」について発表しています。まだ近視の進行を抑制するにはどうしたらよいかなどまでは完全に解き明かされてはいませんが、この遺伝的原因が近視を強度へ進行させる要因になっていることは明らかなようです。