フォーシーズン(4season)遠近両用ハードコンタクト

遠近両用ハードコンタクトについて

近年、使い捨てではないコンタクトレンズはこぞって製造が中止されていく傾向にあります。その中でもハードコンタクトはソフトに比べればまだ、コンタクトレンズユーザーの1割程度が使用させているのではないかと言われています。これはやはり強度の角膜乱視等があり、ソフトレンズでは矯正が難しいという方が愛用している。また、長年ハードコンタクトを使用してるので、そのまま使い続けているということが考えられます。

定期交換タイプの遠近両用ハードコンタクト

先日のブログで「ほぼ使い捨てのハードコンタクト」、メニコン社よりフォーシーズンという製品が発売されたと紹介をしましが、さらにこのタイプで遠近両用(バイフォーカル)が登場しています。

フォーシーズンバイフォーカルの特長として、

*スペアを手元に置いておける。遠近両用のハードコンタクトといえば、1枚でも万単位で金額を要しますから、使い捨てならではの利点ですよね!

*季節ごとのイメージとしてレンズに色がついているため、気分を変えるというより左右の見分けが一目でわかるように組み合わせて使う事ができます。

*汚れがたまってきたところで、真新しいレンズに変えられるのは目の健康を考えると非常にありがたいものです。

4seasonバイフォーカル

無料で1ケ月間、貸し出しサービスがある

実際コンタクトを使っていると、どんなに良い製品であっても自分の目に合うかどうかが問題になってきます。

フォーシーズンに関わらず、メニコン社の製品はメルスプランで使える製品がほとんどで、1カ月間のレンズ代金無料の貸し出しサービスがあります。

このサービスを受けるにはまず、ご自身の目に異常がないか、目に合うかどうかの診察検査が必要となりますため、当院にて受診体制を整えております。(診察検査の費用は別途1,500円程度必要です。保険3割負担の場合)その後、販売店に貸し出しサービスの手続きをしていくことになります。

貸し出し期間は最長で1ケ月、万が一目に合わないとなればフォーシーズンバイフォーカルの場合は体験終了の旨を販売店に申し出れば終了です。快適に使えるようであれば、継続使用の手続きとなります。

気軽に遠近両用のハードコンタクトが試せるというサービスはほとんどありませんので、そろそろ手元の見え方が気になり始めた方は遠慮なくご相談下さい。

遠近両用のハードレンズ、今から乗り換えたい。

ソフトレンズを長年使用、乱視も中程度のものがあり乱視用でなければ視力の矯正は難しい。さらに近年は年齢とともに老眼の症状が出始め、手元が何とも見えにくい。

では、今こそ思い切ってハードレンズにでもしてみようか。

と、考えていらっしゃる方。

ハードコンタクトレンズ

確かに間違った選択ではありません。乱視をハードレンズで、老眼を遠近両用レンズで矯正しようという訳ですから。

しかし、安易にメリットだけを考えずに問題点についても考案してみましょう。

ソフトからハードへの転向時、最初の大きな壁は何といっても装着感です。長年ソフトに慣れ親しんで、その着け心地の良さを知っている状態でカチカチのハードレンズを目に入れたらどうでしょうか。まずは数か月間は異物感に悩まされます。

次に、乱視のパターンです。ハードレンズが矯正を得意とする乱視と、逆にソフトレンズ乱視用のほうが視力矯正がうまくいく乱視があります。大半の場合はハードレンズにて矯正ができますが、眼科の先生からあえてソフトレンズの乱視用を勧められたという経験がある方は、ハードレンズが矯正を苦手とする乱視を持っている可能性があります。このケースの場合は、遠近両用ハードレンズも処方がドロップアウトになる可能性が高いのです。

他にもフィット具合が重要になります。乱視の目の方は、球面形状のレンズがフィットしにくい、ずれやすいなどの症状が出るケースが多くあります。フィット具合が悪いと視力も不安定になります。ぼやけた見え方にもなりかねません。

また、遠近両用レンズは少し特殊なデザインをした作りになっていて、使いはじめの段階では瞬時にピントが合わないという見え方のストレスを感じる方が多いようです。これについては、ある程度慣れれば問題ないという方と、受け入れられないという方に意見が分かれることが多いようです。

これらの事から長年ソフト乱視用を使用していて、ハードの遠近両用へ転向することはかなりの忍耐と時間を要する事といえます。

マルチフォーカルとバイフォーカル。どちらの遠近両用が良い?

遠近両用コンタクトレンズには、その名称に「1day○○○マルチフォーカル」とか、「2week○○○バイフォーカル」ってネーミングの製品が多いと思います。どちらも遠近両用コンタクトレンズには変わりないのですが、レンズに入っている度数の分布具合に大きな差があります。そのため、物の見え方にずいぶんと違いが出ます。

マルチフォーカル上の図は、プレミオ遠近両用のマルチフォーカルデザインの度数分布図になります。マルチフォーカルとネーミングが付いているものは、緩やかに遠く~近くを見る度数に変移していくつくりで、焦点が多数あるといった構造になっています。視線を遠くから近く(逆も)へ動かしたときにスムーズに視界が切り替わります。また、遠とも近ともとれないくらいのいわゆる中間距離を見せるのが得意なのです。

しかし、どちらか一点となると話は別です。長時間の細かい手作業などをする際に使うと考えると非常に満足感に欠けると言われます。そのため遠くも近くも、まぁまぁ・・な見え方と思われる患者さんは多いです。日常生活に必要ないわゆる生活視力(0.7~0.8くらい、手元は新聞が読めるくらい)が確保できるという点に重点が当てられています。

対してバイフォーカルのレンズは遠くと近くの2点、焦点があるようなつくりになっています。そのため、遠くなら遠く、近くなら近くという1点を見た時ではマルチフォーカルタイプに比べて見え方の満足感は高いとされています。下の図がプレミオ遠近両用を例にしたバイフォーカルタイプのつくりです。
バイフォーカルしかし、遠く~近く(逆も)といった視線を変えたときや中間程度の距離が非常に見えにくいと感じられます。ですので、一点を見ることの多い事務作業などをされる場合にはこちらを選択するほうが楽になることが多いです。車の運転は慣れれば問題ないとは言われますが、最近ではカーナビの画面を一瞬見て、すぐに前方を見ることが多いので注意が必要です。

遠近両用コンタクトレンズが苦手なこと。

コンフォートプラスマルチフォーカルプロクリアワンデーマルチフォーカル

 

 

 

遠近両用コンタクトレンズの開発も年々と進み、種類が着々と増えてきています。実際に目にきちんとフィットするのかなど個人差は多々ありますが、遠近両用コンタクトレンズが共通して苦手なことがあります。

遠近両用コンタクトレンズは「遠くも近くも見える!」というのが最大のウリです。しかし極端に遠くにあるもの、または手元の細かすぎるものを見るというのがとても苦手です。

例えば、
・遠近両用コンタクトで1.5の視力を出したい!
・1mmにも満たないような細かい文字をスッキリ見たい!
といったような希望がある方が遠近両用コンタクトレンズを使用した場合、遠近両用コンタクトレンズは要望に応えきれなという結果になります。

そもそも遠近両用コンタクトレンズが目標とする見え方というのは、朝起きて歯磨きをする・料理や食事をする・新聞やパソコン、テレビなどを見る・外出して買い物をする・車を運転する、などこういった日常生活に困らない視力を確保することにあります。逆を言えば、この範囲から極端に逸脱するものは見えにくくても仕方ないということなのです。

メガネのようにサッと掛け外しができないコンタクトレンズ。見たいものの距離が変わるその都度、手を石鹸で洗ってケースにしまって・・etcといった具合に装着脱をするなんて面倒でたまりません。そんな手間が省ける!という部分ではとても画期的な開発になってはいるのですが、使用者の満足度を高めるまでにはまだまだ時間がかかりそうですね・・。

コンタクトレンズの処方の種類が増えました

今回処方できる種類が増えたのは、2weekタイプの遠近両用レンズです。

クーパービジョンから出たレンズで、「バイオフニティマルチフォーカル」というものです。すでに近視用と乱視用がありますので、ご存じの方もいるかと思いますが、酸素透過性の高いシリコーンハイドロゲル素材のレンズです。

バイオフィニティシリーズは従来のシリコーンハイドロゲル素材よりも親水性が非常に高くなっているため、やわらかい付け心地で目にやさしくフィットします。もちろん乾燥にも強く、優れた水濡れ性の為、汚れも付きにくく、付いても落としやすくなっています。

そしてこのレンズの遠近のつくりは、中心部が遠用度数で周辺部が近用度数となり、今までのシリコーンの遠近両用レンズとは逆になります。さらに遠用部、近用部ともに球面設計で、その間の移行部は非球面設計にし、各光学部サイズ(度数の入る幅)を最適化することにより、視線を切り替えた時の違和感を少なくして、遠くから近くまで自然な見え方となるようになっています。

もちろん見え方には個人差がありますし、レンズと目との相性もあります。実際に付けてみなければわかりませんので、少しでも興味のある方はぜひご相談下さい。

遠近両用コンタクトレンズ、見え方の質を考えてみる。

遠近両用コンタクト。 ネーミングからすると、「遠くも近くも見やすくなる」と 大きな期待を寄せられている方もいらっしゃると思います。確かに遠くも、近くも見えるということに間違いはないのですが、 その満足度に大きな差があるようです。

日本で初めにこのコンタクトを作ったのがチバビジョンで 「デイリーズプログレッシブ」という製品です。 念頭においたのは、”生活上の視力を確保する”という点にありました。そのため生活上の最低限の視力は確保できるものの、 ”遠くも近くもくっきり見えるというところまではいかない” というのが、使用者の率直な感想だったのではないでしょうか。

例えば今まで遠方の視力が1.0、遠くはこれで問題ありません。そして手元を見るときは上から老眼鏡を かけてバッチリ焦点を合わせていたような方がいらしたとします。 プログレッシブレンズで遠近ともに0.7程度の見え方を確保しただけでは、老眼鏡をかける必要はないかもしれないけど 「遠くも近くも今までのほうがハッキリ見えるではないか」と感じてしまようです。これはどちらかというと、失敗例です。

成功例としては、どちらかといえば遠方視力を我慢し、近方視力に重点をおいて コンタクトを使っていた方にとってはどうやら具合がよさそうです。 遠くがあまり見えていない状態が回復する傾向にあるため 近くは「うん、今までとあまり変わらない」 遠くは「見やすくなった」と満足度が変わってきます。

視力の出方やレンズをつけた状態での安定性は個人差があるので、 一概に決めつけられるものではありません。現在の見え方の状態と比較することになりますから、納得いく視界になるのか是非クリニックで試してみてください。