高度管理医療機器がポストに投函。

ポストコンタクトレンズは高度管理医療機器に位置づけされています。高度管理医療機器は、使用方法を間違えると人体に大きな障害を引き起こす可能性があります。以前の医療用具の位置づけより、危機レベルが引き上げられたのは数年前のことです。それにもかかわらず、ネット販売等で眼科医の処方なしでも購入が容易にできるというのは随分と矛盾した話にも思えます。

ところでネット販売で購入したときですが、その受け取り方は通常では宅配便で手渡しされている事がほとんどです。しかし、メルスプランをはじめ世にコンタクトレンズを多数送り出してきた製造メーカーのメニコン社は宅配便で届けるのではなくポストにコンタクトレンズを入れてお届けしているのです。本来であれば対面手渡しが必要であるはずの高度管理機器だと思うのですが、ポストへ。

不在でも受け取りができる事を考えれば便利なのかもしれませんが、さすがにポスト投函はどうなのでしょう。ただ、これが違法であるとかそういった法律はいっさいありません。

夏の炎天下で朝から晩までポストに入れっぱなしになっていたら、製品に影響はでないのかしらと、こんな仕事をしていると考えてしまいます。もちろん、メニコン社が問題ないと確認したうえで行ったのだとは思いますが、最善の方法だったのでしょうか。

コンタクトレンズは高度管理医療機器です

コンタクトレンズは平成17年4月の薬事法改正により、高度管理医療機器に指定されています。高度管理医療機器には、「人の生命・及び健康に重大な影響を与える恐れがある医療機器として指定されているもの」という定義があります。よく耳にするものだと、心臓ペースメーカーなどもこれに含まれます。そう考えますと、コンタクトレンズって、そんなに大それた物なの?!と、驚くかもしれませんがそのくらい使い方を誤ると大変なことになります。

近年コンタクトを誤った使い方で使用し、失明に至ってしまったという事例が報告されるということも少なくありません。特に洗浄や消毒がきちんとできていないという原因が多いようです。折角、物をよく見えるようにするために使ったのに、これでは逆効果です。

さらに、コンタクトレンズが他の高度管理医療機器と大きく違うのは、患者さん本人が自分の手で出し入れするという特殊さがあることです。例えば、心臓ペースメーカーであれば、患者さん本人が自分で出し入れするということはありません。医師らが注意を払い取り扱いします。しかし、コンタクトレンズの場合、毎日寝る前には外す、朝起きたら眼につけるという使い方をするため使用者本人が責任をもって管理するほかありません。

ただし使い方さえ誤らなければ、非常に快適な視生活を送る手助けをしてくれるものですから、上手にお付き合いしていきたです。安いもの・カラコン・その他いろいろと使う側としての希望はあるとは思いますが、やはり「自分自身の眼に合うかどうか」「正しく使用できるかどうか」に注目して選ぶことがまずは大切になるのです。