結膜炎(けつまくえん)

結膜炎

 ウィルスや細菌に感染することによって、結膜に炎症が起きます。主な症状は充血やメヤニ、流涙を訴えます。アレルギーが原因の場合には特にかゆみを訴えます。
 細菌よりも感染力が強いウィルス性の結膜炎に一度かかると、治るまでに時間もかかりますし、他人に感染させないようにするためにもより注意が必要です。学校保健法では治癒するまでの間は登校禁止とされています。
 結膜炎は多くの場合は接触による感染です。うっかり触ってしまった物から感染が起こりますから、日頃から注意していくことが必要です。
 感染経路としては、感染者が目をこすった手で触ったスマホ、テレビのリモコン、ドアノブ、タオル、食器にウィルスが付着し、同じ場所を触った他人が自身の粘膜を触ることによって感染します。
 例えば、いろいろな物に触れた手をよく洗わずにおにぎりやパンを手でつかんで食べた。感染者と知らずに一緒に鍋料理を箸でつついた、うっかり感染した家族の使った同じタオルで顔を拭いた、エレベーターのボタンを押した指先で目をこすってしまった等、このような何気ない行動で口から目からウィルスが体内に入ってしまいます。逆に考えると、よく手を洗い消毒をし、むやみに粘膜(特に口や目など)に触れない、といった日常できる事を行えば感染の確率はぐっと下がると言えます。
 他人に感染させないように気を付けることはもちろんですが、細菌やウィルスをもらわないようにも気を付けることが大事です。

●結膜炎症状
【結膜炎の眼】ひどい充血をともないます。

 
●特に、夏に感染しやすいウィルス性結膜炎です。細菌よりもウィルスは感染力が強く症状が重症化しやすいため注意が必要です。

流行性角結膜炎(はやりめ)

アデノウィルスが結膜に感染したもので、潜伏期間は1週間程度。感染すると、充血、異物感、メヤニ、涙など症状が非常に強くでます。完治するまでには、平均3週間を要します。

急性出血性結膜炎

エンテロンウィルスが結膜に感染したもので、感染すると1~2日で発病します。はやりめと症状は似ていますが、治るのは早く、完治まで約1週間です。

気をつけること

 ウィルス性の結膜炎の場合、感染力が強いため学校は登校禁止。大人であっても仕事の上では上司の判断を仰ぐことになりますが、休むことが望ましいです。また、症状が軽快しても医師が薬をやめても良いと言うまで必ず点眼を続けます。角膜の混濁等による後遺症が残ることがあります。

 他にも、アレルギー性の結膜炎はアレルゲンがある限り発症します。アレルゲンとはアレルギー症状を引き起こす原因になる物質のことです。体質にもより異なりますが、とくに通年性では「ダニ」「ほこり」「ペットの毛」「カビ」などがこれにあたるとされます。コンタクトレンズを使用している方は、レンズの汚れが原因となることもあります。また、季節性のもの(花粉症)は、スギやヒノキの花粉がアレルゲンになる方が多くいらっしゃいます。

 いずれも抗アレルギー薬を投与して症状を抑えますが、点眼後3日から2週間程度、効果が出るまでに時間を要します。季節性のものであれば、毎年早めに点眼を開始すると症状が重症化に至らないことが多いです。花粉等がアレルゲンになる際は、全方位をガードできるメガネを活用することも良いでしょう。

┏┓──────────────────
┗★ <※院長&スタッフブログ:関連記事>
└───────────────────