加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)

加齢黄斑変性とは

 網膜にある黄斑(物を見るために一番重要な部分)に異常な老化現象が起こり、見たい部分が歪んだり、視力低下が起こる病気です。視野の中心部分が欠けるので、一番見たいところが見えなくなります。黄斑部の異常を見つけるには眼科医の目視による眼底検査や、眼底カメラ撮影や光干渉断層計(OCT)による断面撮影検査が行われます。
 欧米諸国に比べて日本ではまだ認知度の低い病気であるため、病名を耳にされたことがないという方も多くいらっしゃいます。40歳を過ぎたら、定期健診を受けましょうと啓蒙されているのには、このような病気を早期発見するためと考えられます。

加齢黄斑変性の見え方

 「見たいところが見えない」というのはどんな状態なのでしょうか?一般的な例をあげてみます。
加齢黄斑変性の見え方
 (左)料理中、野菜を切る際にこんな見え方では大変危ない状態です。
 (右)本を読む時、まっすぐ読めなかったら非常にストレスを感じます。

加齢黄斑変性の原因

 老化が原因で起こるため、年齢とともにリスクが上がります。緩やかに網膜黄斑部の老廃物の処理する機能が衰え、網膜の細胞や組織に異変をきたすために起こる病気と考えられております。
 紫外線や喫煙、遺伝によるもの、基本的生活習慣の乱れも加齢黄斑変性を起こしうる原因の1つと考えられています。

加齢黄斑変性の種類

●加齢黄斑変性には、2つのタイプがあります 
※下の写真は、滲出型です※ 黄斑を中心に、出血等が見られます。

●新生血管によるか否かでタイプが分かれます。視力の経過や治療手段が異なります。

1)萎縮型(非滲出型)

 黄斑の組織が加齢とともに委縮するタイプで、多くはこちらのタイプです。年齢とともにということは、その進行も極めてゆっくりです。大きな変化が無ければ人間は自分の見え方に異常があるとは気が付きません。
 今のところ、萎縮型の場合はこれといった治療は行われませんが、滲出型へ変化する場合がありますので定期的な検診が必要とされます。
 

2)滲出‐しんしゅつ‐型

 異常な血管が新しく伸びてきて、黄斑機能を障害します。萎縮型より進行が早いのが特徴です。新生血管の成長や出血・滲出物により、視力の低下や物が歪んで見える、視野が欠けるという症状がどんどん進んでいきます。放置しておくことは大変危険です。
 いったん障害された黄斑や視機能を回復させることはできません。進行を抑えることを第一に考え、その時点での視機能を保つことが治療となります。早期発見し治療が開始できないと、見え方が深刻な状態に陥っていきます。

視力維持の為に気をつける事

 定期的な目の検診を受け、基本的な生活習慣を整える事です。十分な睡眠やバランスの良い食事は基本です。特に「亜鉛」「カロチノイド」を含む食品を摂取するよう心がけましょう。また、喫煙は百害あって一利なしです。

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